2年で3万人登録、零細リフォーム店社長イノシンの「建設チャンネル」人気

YouTubeを始めて2年で3万5000人の登録者数を獲得しているリフォーム会社がある。原状回復などを手掛ける井上技研（東京都足立区・年商2億円）だ。「イノシン」こと井上伸吾社長自らが撮影する「建設チャンネル」は、主に建設業者向けに業界内や現場でのリアルな実態を発信。例えば「建築業界の不満全てぶちまけます」など、歯に衣を着せぬ井上社長のメッセージが視聴者の心をつかみ、再生回数が60万回に及ぶ動画もある。

建設業界の内情を暴露

2年で3万5000人登録

建設チャンネルを自社HPでもアピール。右側が井上伸吾社長

もともとは人材派遣業などをメインの事業としていた同社だが、コロナにより業績が伸び悩んでいたところで、YouTube動画の配信を開始した。社長自身が工務店に勤めていた経験があり、その実態を配信することが視聴者の注目を集めると考えた。「建設業界はOJTが全くなっていないので、若い人たちにノウハウを教える動画を作りたいと思ったのがきっかけです。何かを発信しようとした際に、他社では自社のPR動画が多いなか、このようなチャンネルを持つ会社は多くなかった。エンタメ寄りですが、まずは登録数を増やすことが大事だと思いました」

チャンネルを開始した当時は知識をもたなかったので、外部の制作会社に撮影と編集を依頼。台本を持たず、思うままに話すことで、わざとらしさをなくした。現在は撮影は社長自身が行い、外部に編集のみを委託。外注費用は1本につき1万5000円ほどかかるが、動画収入を月40万円ほど得ている。