YKK AP(東京都千代田区)は、3月6日に「性能向上リノベデザインアワード2022表彰式」を開催した。
初のアワード表彰式開催
- 「性能向上リノベデザインアワード2022」
受賞一覧
同アワードは、断熱性能と耐震性能を向上したリノベーション事例を募集し、優れた作品を選出するもの。初開催となる今回は、115作品がエントリーした。その中からオーガニックスタジオ新潟(新潟県新潟市)が手がけた「松野尾の家」が最優秀賞に輝いた。
建物価値ゼロ円で売られていた築30年の平家を2100万円でリノベーションした事例だ。当初は新築を建てることを希望していた施主が予算の都合で断念。中古住宅を見つけて、補助金を活用しながら性能向上を実現した。同社の相模稔社長は「所得が上がらないのに建築費が上がっており、非常にリノベーションの需要が高まっている。手間はかかるが、リノベーションは今の時代、人を幸せにする力があることを再確認して、これからも取り組んでいきたいです」と語った。
同アワードは性能向上リノベーションの具体的な取り組みを評価し、世の中に広く周知。そのことで住宅の長寿命化や持続可能なカーボンニュートラルな社会の実現に寄与することを目的としている。第1回のテーマは「これからを暮らす家の新しいスタンダードをつくる」。表彰式では最優秀賞のほか優秀賞2作品、選考委員賞8作品、最多一般得票賞1作品が表彰された。
式の最後には選考委員を代表して、東京大学大学院工学系研究科建築学専攻准教授の前真之氏が次のように総評を述べた。「今後は、UA値が優れているのは当然になっていく上で、なぜそのやり方で十分に暖かく電気代が安いのか自信をもって説明できるようにやっていただきたい。施主に『これはすごい』という驚きを提供できるようなトータルな計画を考えていっていただけたら。性能の高さを実感してもらうことができればリノベーションが本格的に広がってくると思います」
YKK APの堀秀充社長(左) とオーガニックスタジオ新潟の相模稔社長(右)
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