日本衛生センター(東京都国立市)は4月、低コストかつ短工期で施工できるオリジナルの連続繊維シート補強工法「SOLID REMAIN(ソリッドリメイン)」を開発、発売した。
リフォーム施工で威力を発揮
手軽に住宅基礎を補強・補修
施工の様子
建設資材の高騰や原料不足の影響により、新築価格の上昇に歯止めがかからない建設業界では、リフォーム・リノベーション事業に注目が集まっている。同社は開発の背景として、建築資材の高騰に加え、多くの建築物がコンクリート劣化時期を迎えたことで、リフォームやリノベーションの際に住宅基礎を手軽に補強・補修できる連続繊維シート補強工法へのニーズの高まりを挙げる。
ソリッドリメインは、同社オリジナルのエポキシ樹脂であるプライマーと補強剤で、アラミド繊維シートをコンクリート表面に接着固定して補強するハイブリッド工法。従来のコンクリート増し打ち工法や鋼板巻立て工法などと比較して低コストであるうえ、一般的な住宅であれば1~2日間といった短工期での工事が可能。内外基礎を問わず、床板を剥がさずに施工できるメリットもある。
同社の従来品に比べ、エポキシ樹脂のコンクリート接着力と圧縮強度が大幅にアップし、配合粘度のダウンも実現した。従来品よりも「くっつきやすく、強く、使いやすくなった」。
高い相乗効果を得られるハイブリッド工法
樹脂と強化繊維は相性がよく、樹脂が本来持つ接着力に、鉄の数倍の引っ張り強度を持つ強化繊維を併用すると、その相乗効果により被覆された構造物の耐力を格段にアップさせることができる。 同じ原理を持つ一例にはサーフィンボードが挙げられる。サーフィンボードの場合、芯体の素材は発泡スチロールだが、強化繊維と樹脂で被覆することにより波の強大な衝撃にも耐える強度が得られるという。
強化繊維と樹脂で被覆
このような高い相乗効果を持つ連続繊維補強工法は、劣化やクラック(ひび割れ)が生じたコンクリートに強度を付与させることから、経年劣化した住宅基礎の補強・補修に適切な工法といえるだろう。
同社の担当者は「公共事業にも使われている連続繊維補強工法を、住宅のリフォームに応用して提供しようと開発した。基礎補強の際、増し打ちや鉄板などで囲むよりも手頃かつ短い工期で済むのは大きなメリット。物価が上がり続けるなか、企業努力によるコストダウン商品を多くのお客様に活用してもらいたい」と話している。

最新記事
この記事を読んだ方へのおすすめ
-
1654号(2025/06/23発行)31面
-
1654号(2025/06/23発行)21面
-
1654号(2025/06/23発行)21面
-
1654号(2025/06/23発行)17面
-
1654号(2025/06/23発行)25面