「窓リノベ」補助金が話題を集め、樹脂窓が注目されている。日本の樹脂窓普及率は22%ほど。これに対し、ドイツは64%。アメリカは65%と高い。なぜ日本で普及率は低いのか。エコハウスの設計などを手掛けるほか、東北芸術工科大学の教授でもあるエネルギーまちづくり社(東京都港区)の竹内昌義社長に語ってもらった。
断熱意識低く、義務化に遅れ
樹脂窓の需要見誤りも原因に
竹内昌義社長
一級建築士。エネルギーまちづくり社代表取締役、みかんぐみ共同代表。東北芸術工科大学デザイン工学部建築・環境デザイン学科教授。専門は建築デザインとエネルギー。エコハウスやオフィス、商業施設の設計などに携わる。2022年、省エネ基準義務化の施行を求める署名活動を実施。2月から4月までの間に約1万5000人以上の署名を集め、国に提出した。 |
市場ないと誤判断
樹脂窓の普及が遅れた要因は、国の断熱、脱炭素化に対する意識が低かったからだと思います。
例えば、2020年までに義務化される予定だった省エネ基準が、直前になって延期し、2025年にずれ込んでしまった。断熱に本気なら延期はしなかったと思います。当然、樹脂窓の普及が遅れることになるわけです。
ただ、義務化されたとはいえ、その基準は正直高い水準とは言えません。最低の基準は断熱等性能等級4。これは1999年に制定されたものです。複層ガラスの導入、グラスウールを天井に20cm吹くことで十分に達成できる基準です。

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