ホームテック(東京都多摩市)が新規客からの契約数増加に乗り出した。上期中に前年同期比で新規契約数を1・5倍増やす目標を掲げており、通期で前年度比9%増の48億円の売り上げを目指す。
新規の契約数増加のための施策の1つが、営業のスキルアップ。現状、5割強である新規客からの契約率をリピート客からの契約率である約8割に近づける。そのため、4月から新人、ベテラン営業社員に限らず、ロールプレイングの導入を課した。
「お客さんに会ったあと、すぐにプランの説明をするなど、リフォームのプロとして認められる前に提案をしても絶対にうまくいきません。そうした営業のセオリーができていないケースがあるのです。例えば会社の説明をちゃんとするなど、営業のストーリーと、説明用のツールを作り、ロープレを行っています」(石原直之取締役部長)
このロープレは人としての信用、会社としての信用、この2つの信用獲得を想定して場面づくりをしており、新人社員だけではなく、マネージャークラスのスタッフにも行わせている点が特徴だ。
「新人がロープレを行うのを店長などが見る形が一般的だと思うのですが、人がやっているものを見る、客役になるということも重要です。キャリアの浅い人が客役になると、『普段お客さんはこんなことを感じていたのか』という気付きになります」(石原取締役部長)
導入後2カ月で既に成果も表れており、店長を集めた会議では「ダメだと思っていた案件を社員が取ってきた」「マネージャーの言うとおりに動いたら契約を獲得できた」などの声が上がってきた。
もう1つ、新規客の契約数を高める施策が紹介客の増加だ。従来も、OB客からの紹介受注はあったものの、自然発生的に獲得できていた部分が多い。積極的に紹介の働きかけをすることで、紹介数の増加に取り組む。
「紹介してくださいと言っても、なかなか出てこないですよ。単純ですがその意思表示ということです。それも引き渡しの時ではもうお客さんに会うタイミングがなくなりますので、契約前後から言うことが必要です」(同取締役)
同社では今後「新規客契約数の増加」を進めることで、従来のチラシを中心とした集客体質からの脱却を図る考え。契約率の向上から各社員負担軽減や宣伝広告費の削減などにつなげ、企業体質強化に努める。

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