OKUTA(埼玉県さいたま市)と安江工務店(愛知県名古屋市)は、このほど、共同ブランドの水まわりリフォーム専門店「みずデポ」を3店同時オープンした。その中の1店である川越店(埼玉県)を訪問。新たなブランド構築を狙う「みずデポ」の戦略を取材した。
5人の常設スタッフはすべて女性
自動ドアをくぐると、まず目に付くのがカウンターに並べられた5色の椅子。オレンジ、黄色、緑、水色、青とカラフルな色彩に目を奪われる。その左手を見ると10台のキッチンが縦横に並ぶ。こちらもカラフルな配色が特徴的。
水色やオレンジの扉の商品配列が雑貨店を想像させる。一般的なリフォーム会社のショールームとは、一線を画すデザインだ。
当初黒色だった、照明コードは白のテープでコーティングした。これで黒色のショップロゴが浮き立った
「みずデポ」のコンセプトは、「ポップ」「北欧の色使い」そして「上質感」。北欧のショップであるイケアやH&M、フライングタイガーコペンハーゲンを参考に店舗イメージを構築した。価格は安いが、上質でポップ―そんなリフォーム店が目指す姿だ。
「メーカーごとにショールームがありますが、個性があまりありません。リフォームのイメージを変え、ブランド化する戦略です」(山本拓己社長)
現在、リフォーム業界には水まわりリフォーム専門店が急増している。大阪のナサホームの「みずらぼ」。同じ大阪のコニージャパンの「リフォーる」。滋賀の匠工房の「リライト」。これらは、すべて水まわりの専門店であり、今後も同様の店舗が増加すると見られる。
そこで、後発となるOKUTAと安江工務店が追求したのが独自性。地域住民が「水まわり交換といえばここ」と真っ先に思い浮かぶキャッチーな店作りに力を入れた。
女性の清潔感を前面に
接客をするのを女性だけにしたのも、この独自性の追求のためだ。リフォームというとまだ男性、作業服といったイメージが残っているが、女性の清潔感を打ち出し、イメージ変革に取り組んだ。
店舗には5人の女性が常駐。店舗の責任者も20代の女性で、彼女たちが工事まで一貫して請け負う形を取っている。
メーンの対象顧客は30~50代を想定。中古住宅を購入した一次取得者から一般的な機器交換まで、水まわりの交換ニーズに広く対応する考えだ。
「住宅設備のセレクトショップですね」と山本社長。店内にはキッチンのほか、ユニットバス、洗面化粧台、トイレ、水栓金具が並ぶ。それぞれ商品価格と並列で工事価格も明記されており、キッチンなら工事費は18万円。ユニットバス(ユニットバスからの交換)なら、19万8000円という定額制とした。
キッチンはTJMのマンションデベ向け商品など、他社が扱っていないものも販売する
オープニング時には、約15万世帯の商圏のうち周辺約10万世帯にチラシを配布。反響率は4500分の1で、23件の問い合わせが入った。
今後は、同店舗で成功モデルが確立でき次第、多店舗展開を予定する。2店目以降は出店費用を1000万円以内に抑え、初年度黒字化を目指す。
「川越店は本部機能があるため大きめの48坪ですが、3、4人で運営する35~40坪の店舗を年2、3店出していきたいです」(山本社長)
≪みずデポ概要≫
- 店舗概要
川越店(埼玉県川越市、OKUTA)49坪、
星ヶ丘店(愛知県名古屋市、安江工務店)48坪、
原店(愛知県名古屋市、安江工務店)19坪 - 出店コスト 1000万円以内
- 店舗スタッフ 35~40坪の店舗で3、4人(スタッフ1人あたりの月間売上高は約400万円を想定)
- 特徴
- 共同仕入れにより実現した商品価格
- 定額制の工事
- 最大10年の商品保証(会員制アフターサービス加盟時)
- 女性スタッフによる対応
- コンセプト 「ポップ」「北欧の色使い」「上質感」

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