第3回リフォーム・リノベーションコンクールの審査結果が発表された。最優秀賞にあたる大阪府知事賞に選ばれたのは濱田設計測量事務所と赤川貴世友氏の「松屋町の長屋ビル改修プロジェクト~積層する町屋~」。同コンクールは大阪府がリフォームを推進するために設立した大阪の住まい活性化フォーラムの主催。

施工後の2階。左が小上がりになっているリビング(撮影:笹倉洋平)
最優秀賞の同作品は、5階建ての2~5階が居住スペース。各階25平米プラス階段という狭いスペースの活用方法が課題だった。リフォーム前は各階に2部屋あり、仕切り壁の多さもネックだった。
リフォームのポイントについて、設計者の濱田猛氏は「2階をリビング、3 階をダイニング、4階を浴室と寝室にし、各階で用途を分けたこと」と話す。
さらに、各部屋の仕切り壁を取り払った後は、段差や家具、カーテン等による緩やかな仕切りに変更。2階はリビングを小上がりにして、ワークスペースと区別した。
イメージは「積層する町屋」。一般的な町屋は各部屋を通り庭で行き来するが、同作品では階段で行き来する立体的な構成だ。階段室には展示棚や本棚を設置。通り庭として面白みのある空間にした。
審査員からは、「従前の間取りを大幅に改善した上で、将来の暮らしの変化を柔軟に受け止める余白を残した点が高く評価できる」と講評があった。

第3回リフォーム・リノベーションコンクール受賞者・受賞作品

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