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「人手不足」を嘆く前に考えなければならないこと

「人手不足」を嘆く前に考えなければならないこと

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業界の有識者が語る≪テーマ : 「人手不足」を嘆く前に僕たちが考えなければならないこと≫
~ 職人ひとりひとりが輝く未来を ~

クラフツメンスクール 仲本純代表理事

◆今週のゲストコラムニスト◆
一般社団法人クラフツメンスクール 仲本純代表理事(関東サイディング事業協同組合理事長)
≪Profile≫1966年12月生まれ。自ら外装施工会社を経営する中、建築職人が輝く未来を作るため、2014年5月職人技能養成学校の一般社団法人クラフツメンスクールを設立。2014年10月にはプレ講座を開催し、4月からは本講座の実施を予定している。今後全国で様々な講座開講を予定する。

 僕が建設業界に入ったのは20歳のとき、まさにバブル絶頂期であった。当時の僕は、この業界にはまったく興味が無かった。ところが僕の見た目や雰囲気が悪かったのか、飲食店のアルバイト等の面接に片っ端から落ちてしまい、いよいよ困って先輩に相談し、紹介されたのがサイディング職人の仕事だ。

 僕の親方は当時40歳で、既存の生き方にとらわれない芸術家(画家)で、いわゆる"食うための手段"としてこの仕事に就いたとのことだった。そんな親方だったが、丁寧な仕事に定評があり、その生き様がとても輝いてみえた。

 あれから30年余りが経過し、中途半端な若者だった僕も一城の主となり、今の素晴らしい仕事に就くきっかけとなってくれた親方にとても感謝している。しかしながら、悲しいことに僕を育て続けてくれたこの業界が『人手不足』という難題にあえいでいる。

 この問題の解決手段として、昨年職人学校『一般社団法人クラフツメンスクール』を立ち上げた。中小零細企業の新人教育を支援することが主たる目的である。知識と実践を組み込んだカリキュラムを作成し、系統的に指導をしていく。

 理想を掲げて立ち上げた社団ではあるが、実際『人手不足』という問題は奥が深く、活動を進めていく上で様々な難問にぶちあたる。たとえば当然のことながら『担い手』がいなければ教育も何もあったものじゃない。

 そこで振り返ってみた。そこにいるのは若き日の自分である。さて、彼は何を思い、なぜ、この仕事を生涯の仕事としたのだろう

 そうだった。彼はこの仕事と"出会い"そしてそこに"輝き"を感じたのである。力強い魅力にあふれている、実感のある仕事がそこにあったのだ。

 そうか!まずマッチングの機会を増やすこと、そうすれば必ずそこに出会いたい人がいる。そのための人集めなら、工夫の余地がありそうだ。

 しかし"僕たちは輝いてみえるだろうか?"。

 「人手不足で困ってるんだよ~」と嘆いている社長、社員、先輩職人さんは自分が輝く努力をしていますか?愚痴を言っていませんか?素敵な職場作りをしていますか?今後、『人手不足』に対し、様々な公的施策もあるでしょうし、我が『クラフツメンスクール』も様々な試みを企画しています。

 これからの建設業界を担う人たちのために、僕たちひとりひとりが"輝く努力"をして、キラキラした建設業界を取り戻しましょう!

 そこにこそ素晴らしい未来があるように思えてならないのです。

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