リフォーム専業のナサホーム(大阪府大阪市)が展開する水まわり工事専門チェーン「みずらぼ」が好調だ。
既存11店舗に加え、今期(2015年12月期)3店舗を新たにオープン。売上高も17億円と、全体売上高52億円の3割に達する見込みだ。2022年には、売り上げの半分以上を占める事業に成長する見通しだ。
「みずらぼ」は、水まわり工事に特化したリフォーム店として2011年に開設。デザイン性の高いリフォームを手がける「ナサホーム」事業に次ぐブランドとして立ち上げた。
水まわり工事はマニュアル化しやすく、経験の浅い人材でも営業成績を上げやすいことから、大阪府や兵庫県を中心に多店舗化を進めている。
みずらぼ好調の要因となったのは、工事単価の上昇。1件当たり平均25万円だった単価が、今年に入って45万円に上昇している。
これについて江川貴志社長は「単価の高いリフォームを行うナサホーム事業と差別化するため、大型リフォームはみずらぼでは受けないと決めてきた。しかし、あまりに厳格にやりすぎたため、水まわりにクロスやフローリングを加えた、間取り変更を必要としない全面リフォームを社員が受けなくなってしまった。そこで金額ではなく、スキルレベルで受注する工事を振り分けるように。大工5人工以上のハイスキルな工事はナサホームが行うが、たとえ250万円級の全面リフォームでも、大工5人工を越えなければみずらぼで受注していいとし、以来単価が上がった」と話す。
同社は1996年に設立し、2000年に不動産仲介業からリフォーム業に業態変更。ナサホーム、みずらぼの2ブランドを軸に、着々と業績を伸ばしてきた。前期(2014年12月期)の売上高はナサホーム34億円、みずらぼ10億円の合計44億円。
現在、新たな成長の布石として、2017年秋をめどに株式上場を準備中。今後はみずらぼ3店舗、ナサホーム1店舗のペースで毎年出店を拡大し、上場目標である2017年には、2ブランドの売上比率を現在の3対1から3対2に。ナサホーム43億円、みずらぼ26億円の合計69億円を目指す。
江川社長は「みずらぼは新卒や中途採用者、結婚・出産などで仕事の強度を下げたい人の活躍の場として向いている。2022年にはナサホームとみずらぼの比率を逆転させ、売り上げ100億円を達成したい」としている。

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