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底倉の湯 つたや旅館
昨年11月26日、箱根町底倉に築29年の旅館をリノベーションした宿泊施設「底倉の湯 つたや旅館」がオープンした。手がけるのは、S.H.ホールディングスのグループ会社シマダハウス(東京都渋谷区)だ。同施設は、江戸時代に蔦屋平左衛門が創業した湯宿。1890年に沢田家が継承し、同社で10代目となる。古くから隠れ湯として知られており、太閤秀吉をはじめ戦国武将が傷を癒やした温泉と言われている。
天井から吊り下げられた竹籠がインパクト大
大浴場で楽しむ浮世絵調のアート
同施設は「底倉」の名の通り、底に向かうイメージを持たせるために階数を1階、B1階、B2階、B3階と下がっていく表記にしている。
1階のチェックインカウンターには温泉の番台をイメージした空間が広がり、天井から吊り下げられた多くの竹籠が宿泊客を迎える。箱根七湯のひとつである木賀温泉の近くに群生する箱根竹のオマージュだ。籠が荷物の持ち運びに利用されていたことから採用されている。
また、老舗旅館にふさわしい調度品が用いられている点も同施設の特徴。カウンターの背面には、古家具の格子・欄間を施している。シマダアセットパートナーズ 建築事業部・佐藤修司副部長は「蔦屋旅館と底倉が歩んできた歴史を継承して、現代に蘇らせることをデザインのベースのキーワードにしています。なじみのある物の使い方をずらして、古くても新しく感じられます」と語る。階段の壁面には、京都の壁画絵師・木村英輝氏が手がけた大胆なアートが楽しめる。ツタとひょうたんが階段に巻き付くようなデザインだ。ひょうたんは太閤秀吉の馬印に由来。ツタは他の木々や建物などをつたって成長し続けるため、生命力の強い縁起の良いものとされている。
風呂桶をカウンターに取り付けている
この記事の関連キーワード : S.H.ホールディングス シマダハウス リノベーション リノベーション物語 中古住宅・リノベーション 古民家

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