国土交通省の関連団体である一般社団法人住宅瑕疵担保責任保険協会は、国交省が策定した「既存住宅インスペクション・ガイドライン」に沿った講習会を、11月から全国10カ所で実施する。
中古住宅インスペクション(住宅診断)業務に不可欠な検査方法などの知識を習得、修了考査を経て合格者を「既存住宅現況検査技術者」として登録・認定する。これにより、インスペクションの普及に弾みをつけ、住宅取引全体の7、8割を占めるといわれる個人間売買を勢いづかせ、中古住宅市場を活性化するのが狙い。
講習は2013年11月20日の東京をはじめ、札幌、仙台、福岡、大阪、名古屋など、全国10会場で順次実施され、12月末に修了考査を行う。受講者は計1400名程度を想定、登録者は1000名程度を目指す。受講料は2万6250円(税込)。
今回の講習で登録した技術者が行った検査は、個人間売買時に既存住宅売買瑕疵保険に加入する際、保険法人が行う現場検査に代えることが認められる見込みで、従来二度の現場検査が必要だったのが、一度で済み、消費者には検査料が低減化されるメリットがある。
さらに、2014年4月からの消費税率8%への引き上げが決まり、高額な住宅取り引きでは数百万円にもなる消費税がかからない個人間売買が今後一層増えるのは確実。同協会では「検査料が2、3万円安くなるだけでなく、消費税分8%もお得」と個人間売買のメリットを強調し、そのための人材を養成する講習の受講を呼びかけている。
日本でも、中古住宅の流通促進・活用が叫ばれる中、中古住宅の品質・性能を、消費者に分かりやすい形で評価することの必要性が高まっている。 しかし、中古住宅は品質・性能にばらつきがあるうえ、業者により検査内容がさまざまだったり、検査基準もまちまちだったことから、国交省で「既存住宅インスペクション・ガイドライン」を策定した経緯がある。

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