「住宅の長寿命化リフォーム」と題したシンポジウムが12月4日、都内にて開催された。主催は住宅リフォーム推進協議会。中古住宅のインスペクションをテーマに、住宅関連事業者らが議論した。
「インスペクション」のあり方を討論
インスペクション専門企業のさくら事務所の大西倫加社長は「中古住宅のインスペクションを行う人は買った後に補修費用がかかったら怖いということと、あとどれくらい持つのだろうのかという不安を解消するために利用する方が大半です。購入者は情報量の少なさに戸惑われている」と現状を報告した。
リフォーム会社のOKUTA、酒井裕三取締役は「リフォーム会社では、はなからインスペクションが『現場調査』という形で行われている。傷んでいるのがわかるのはあたりまえ。既存状態を見極めて、どういう不具合があるか、原因を追究。これを見極めた上でご提案することが求められている」と指摘。
マンション専門の野村不動産リフォーム、原千朗積算工事部部長は、マンションの躯体診断の方法を解説。さらに、「共用部の改修時に専有部リフォームも同時推進していく新しいビジネスモデルができ始めている。既存マンションを良くしていくには専有部、共用部の両方に長期修繕計画があるべき」と話した。
不動産仲介事業を手掛ける東急リバブルの森憲一戦略企画部長は実績が5000件を超えた「リバブルあんしん保証」サービスを解説した。中古住宅を仲介する際に、第三者がインスペクションし、雨漏り、シロアリなどの瑕疵を保証するもの。森部長は「既存住宅の品質、性能に対する不安が増してきていると感じている」と話す。
モデレーターの日経BPインフラ総合研究所上席研究員の安達功氏は「プロが消費者目線にたってユーザーの知りたい情報をきちんと伝えていくことが大切なのではないか」と強調した。

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