YKK AP(東京都千代田区)はトリプルガラス木製窓「APW651」大開口スライディングを7月22日から発売する。
同製品は、再生可能資源である国産木材を使用した意匠性と、トリプルガラス仕様による高い断熱性能を兼ね備える木製窓。
家具のような木製窓が開放的な空間を演出する
木製窓は樹脂窓と同様に断熱性能が高く、住宅の断熱基準が高い世界の国々で採用されている。日本では高価格で木部のメンテナンスが難しいことなどから、あまり普及していない。
同社でも、これまで1988年に「ルミウッド」、91年に「リナーテ」、02年には「エピソードウッド」と3種の木製窓を発売しているが、品質やメンテナンス体制に課題があった。
今回発売するAPW651は、今までの課題を克服するため含水率11%以下の国産桧の集成材を採用し、強度のばらつきを解消した。雨風にあたる室外側はアルミカバーで木材を守るアルミクラッド構造とし、耐候性、耐水性に優れた木製窓に仕上げた。
室内側の木部塗装には下塗りで含浸塗装着色を用い、その上に2層のクリアコートを塗布することで、紫外線や水分による劣化を防ぐ。
さらに、窓も家具のように質感の高いものにしたい、開放的で眺望性に優れた大開口窓へ、というニーズに対応するため、最大サイズ幅3000×高さ2540mmの大開口スライディングを実現した。
断熱性能では、ガラス部分の2つの中空層を18mmにアップしたアルゴンガス封入総厚45mmのダブルLow-Eトリプルガラスを採用し、熱貫流率0.99ワット毎平方メートル毎ケルビンの性能をもつ。
カラーは、室内側は木部塗装を施した4種類、室外側は木調色4種類とアルマイト仕上げ4種類。参考価格は幅2600m×高さ2430mmの片引き窓が税別155万800円。幅1690×高さ2430mmのFIX窓が税別89万2900円。
同社の出荷窓数の素材別構成比率は、2023年度でアルミ窓21%、アルミ樹脂複合窓44%、樹脂窓35%。2030年度にはアルミ樹脂複合窓30%、樹脂窓50%、木製窓20%を目指す。
新商品発表会で魚津彰社長は「窓を考える会社は、いずれ木製窓をつくらなければならない。いま、高断熱、高意匠、サステナブルな窓への進化が必要であると考えています。木製窓の出荷比率20%に向けて、アイテムを拡充していきたい」と話した。
魚津彰社長

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