都内マンションを中心に貯湯タンクのメンテナンス等を行う東神ホームサービス(東京都板橋区)は東日本大震災で被害が多く発生したマンションの貯湯タンクの揺れ防止工事提案を開始した。月間約70件の工事につながっている。
「東日本大震災でメンテナンスをしている多くの貯湯タンクでパイプの破断や足部分の折れなどの問題が発生しました」(中野伯彦社長)
同社は、約2万件の電気温水器やガス温水機器のメンテナンを行っている。そのうち約1000件で問題が発生し、この1年は対応に追われてきた。大分状況が落ち着いてきた今、次の震災に備えた揺れ止めの工事提案を本格的に開始した。
揺れ止め工事とは貯湯タンクの上部を押さえる工事でメーカーのパーツを利用して行う。費用は2万5000円〜3万円。
震災前は2万件のメンテナンス対応先のうち、揺れ対応を行っている割合はわずか0.1%ほどであった。
「最近は一部のマンションの管理組合で揺れ止めの工事をした方がいいのではという議論があがっています。地震によるタンクの水漏れは保険の対象外になっているケースもあるようでして、マンション全体で対策をした方が良いという考えです」(中野社長)
ただ、揺れ防止の工事案内をして契約に至る割合3~4割。お金をかけてまで、予防しようと考える人は半数に満たないのが現状だ。また、中には「悪徳業者の案内では」と不安を示す人もいるが、中野社長は安全対策の観点から全戸への案内を進めている。
同社の前期の売り上げは2億9000万円。今期売上高は3億円を超える予定で、秋には板橋区内にリフォームの新店舗出店を予定している。

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