今期売り上げ320億円を計画するナカヤマ(埼玉県上尾市)は、①人材教育、②オリジナル商品の開発・販売、③47都道府県進出―――の3つの柱をもとに目標達成を狙う。現在107店舗を展開する同社は最終的に333店舗の拠点開設を目指していく。

オリジナルフローリングを販売開始
同社の2011年度のリフォーム売り上げは276億8000万円と前年度比で2%増にとどまった。1年間で20弱の拠点を増加させたのにもかかわらず、わずかな増収で落ち着いた理由を西野純一常務は次のように話す。
「まず要因の1つはオリジナル商品の販売数が増えたことで平均受注単価が下がったためです。ただ、受注件数自体は前年度から2割ほど高まりました。また、今期から利益が取れないことから法人とのアライアンス契約による請負工事を一切やめました。その売り上げが13億円ほどあったので、それもマイナス要因です」
わずかな増収にとどまった一方で、特に水まわり商品を中心としたオリジナル商品の販売率を高めることで利益率の向上に成功した。キッチン、バス、トイレ、洗面販売におけるオリジナル商品比率は2010年度で約5割だったのに対し、11年度約9割に増進。結果、全体粗利が5%ポイントほど高まった。利益が確保できる体制が整ってきたことで、今期は3つの柱で300億円超えを狙う。
1つ目の柱となるのが約840名いる支店人員の教育だ。現在、営業と現場監督に役割が分かれているが、来年春までに両方の役割をこなせる人員に育てていく。研修自体は2年半前より行っているが、今期は本社近くに研修センターをオープンさせたことにより、年間3回、1回につき1週間の長期研修制度を開始。現場調査から監督まで対応できる人員が誕生することで、業務の効率化を図る。
「給料制度も今年からインセンティブ分を少なくし、固定で30~50万円支払う形にしました。営業のみの人員ゼロを目指します」(西野常務)
2つ目の柱がメーカー的な事業強化だ。既に水まわりや外壁など多くのオリジナル商品を開発しているが、新たなラインアップとして無垢のフローリングを9月に追加した。価格は平米3980円と業界最安値クラスで、表面にはキッチン塗装の技術を応用したUVコーティングが施されているのでキズに強い特徴を持つ。また、12月1日には断熱材の厚みが従来の2倍以上の50㎜となる外壁材「スーパーハレル家」を出す予定だ。
最後の3つ目が47都道府県への進出。今年は拠点が少なかった九州などに積極的に展開し、最近では9月29日に大分ショールームをオープンした。
「大分は2日間のオープンイベントで4000人が来場しました。見積もり依頼は700件なので、今までで最大規模の反響です。割引率の高さが、目を引いたのではないでしょうか」(同常務)
同社は1店舗10万世帯を上限に店舗増加を続けていることから、今後は同一県内での拠点増加にも力を入れていく考えだ。

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