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水まわり専門店急増、OKUTAや安江工務店など有力店が展開

水まわり専門店急増、OKUTAや安江工務店など有力店が展開

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 水まわり専門店が急増している。5月17日にホームテック(東京都多摩市)がオープンした「ミズファミ」に続き、OKUTA(埼玉県さいたま市)と安江工務店(愛知県名古屋市)は31日、共同ブランド「みずデポ」を名古屋市(2店舗)と埼玉県川越市に3店同時オープンする。大阪のナサホームから始まった新しいリフォームビジネスモデルが全国に広がりつつある。

みずデポ5月31日オープン

 新たにOKUTA(年商52億3800万円)と安江工務店(年商38億9500万円)が展開する「みずデポ」とは、水まわりリフォームを専門に扱うショールーム型店舗。「低価格」「専門性」「品質」「スピード」をキーワードに女性スタッフが一貫して営業、工事対応する点が特徴だ。デザイナーや技術者を介さないスタイルや共同仕入れによりコストカットを実現。取扱商材はキッチン、ユニットバス、洗面化粧台、トイレのほか、オリジナルキッチンや水栓金具に絞ることで効率化を追求した。

 工事価格は、過去15万8000件の工事データに基づき適正価格を割り出し、工事費込みの定額制とした。

 店舗面積は、川越店49坪、星ケ岡店48坪、原店19坪。1店舗あたりの出店コストは1000万円以内を想定している。

 この水まわり専門店は、2011年7月に大阪のナサホーム(年商37億円)が展開した「みずらぼ」が発祥だ。当初は店舗売り上げ月1000万円、初年度黒字化を目指し展開したが、予想を上回る反響で、店舗展開を加速。年間2億円を売り上げる店舗もある。現在「みずらぼ」は8店舗、今後さらに拡大していく計画だ。

 その後、同じ大阪のコニージャパン(年商50億円)が堺市に「リフォーる」を展開。営業スタッフ5人で初年度売り上げは3億円、先日市内に2号店をオープンさせた。地域最低クラスの価格で提供しながら、工事の工夫などにより粗利率は3割を超えている。

 今年に入ると滋賀県の匠工房(年商18億円)が3月に「リライト」を大津市に展開。同店舗も好調で、オープン時のチラシは約1500分の1と髙い反響率を獲得した。

 これらの水まわり専門店に共通するキーワードは「潜在需要の掘り起こし」。引き合い客の多くがリフォームが初めてという未開拓顧客であり、レンジフード交換やコンロの購入といった小さな工事をしてから、1年たたない短い期間でリピーターになる顧客も多い。

 また、商材を絞ったことで提案力に乏しい若手社員でも運営できる点が特徴で、人材力に頼る部分が大きかった経営上の課題を解決できるモデルとなっている。そのため、早期の多店舗展開が可能であり、わずか3年で8店舗となったナサホームがその良い事例だ。

 今後も、全国で同じような水まわり専門店展開を計画している事業者も多い。同ビジネスモデルが新しいリフォーム市場のニーズになりそうだ。

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