コロナによる買い控えや工期の延期、木材原価の高騰、人口減少問題など、新築ビジネスの立ち位置は決して明るくはない。既報の通り、帝国データバンクや東京商工リサーチの調査によれば、建設業のコロナ倒産の多くが、新築を手掛ける中小零細工務店だった。こうした逆境のなかで、リフォーム業に乗り出すことが、会社の永続させていくひとつの答えになるかもしれない。この連載では、工務店ならではの設計力や技術力を駆使し、いかにリフォーム事業を拡大するか、課題も含め、現場のリアルな声をお届けしていく。
【リポート/編集部 芦原拓】
工務店のリアルな声 VOL.1
1棟平均2500万円の新築を年8棟ほど手がける青谷建築工房(滋賀県高島市・年商2億7000万円)はリフォーム強化のためにカフェを通じた販促を本格化している。
カフェは昨夏、聖火ランナーが走ったメタセコイア並木の中心に位置
リノベ提案への導線にカフェ開業
月1000人来店、婚活イベントも開催
「何か突破口を見つけなければならなかった」。コロナの影響で着工が遅れたり、イベントができない、ウッドショックによる原価の高騰など複合的な要素が重なり、新築需要の鈍化に頭を悩ませていた青谷啓司社長。従来は売上の1割ほどだったリフォームを強化してこのピンチを乗り越えようと考え、販促手法としてカフェの開業がふさわしいと考えた。
地元食材で手作りのカレーを考案したところ、テレビで紹介されるなど話題に
カフェをリノベーションのモデルハウスとして活用することで、自社の設計力をアピールするのが狙いだ。「かつてチラシなどの販促を行ったことがありましたが、反響は今ひとつでした。新築は内覧会ができますが、リフォームではお施主様の都合もあって見学会の開催は難しい」と青谷社長は振り返る。
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