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空き家をリフォームして活用するには?【2024年版】

空き家をリフォームして活用するには?【2024年版】

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空き家活用ビジネス一覧【2023年版】リフォーム会社が成功するには?(サムネイル)

現在国内の住宅総数のうち、13.6%を空き家が占めている。これらの空き家をビジネスにする動きが広がっている。リフォーム会社が強みを生かせる空き家活用ビジネスと、その際のリフォームのポイントを、リフォーム業界唯一の専門誌「リフォーム産業新聞」が解説する。

目次

1. 長期放置の空き家が増加

2-1. 空き家を買取再販に

2-2. 空き家を賃貸物件に

3. 空き家活用は「ペルソナ」が大事

リフォーム産業新聞とは?

リフォーム産業新聞は住宅リフォーム市場向けの経営専門紙です。
1987年の創刊以来、マーケットトレンドや行政、企業の動向、経営戦略・ノウハウ、商品などの経営に役立つ情報を発信しています。大手住宅会社や有力リフォーム、工務店、専門工事店、住宅設備・建材メーカー、流通など業界内の幅広い層にご購読頂いています。

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1. 長期放置の空き家が増加

国内には約850万戸の空き家がある。そのうち、活用の目処が立たない長期放置の空き家は349万戸。長期放置の空き家のうち、戸建てが72%を占めている。

放置されている理由は「質が低いので利活用できない」「改修や解体にコストをかけたくない」など。

今求められているのは空き家の利活用。買い取って改修後に販売、賃貸物件へのリノベーションが増えている。

2-1 空き家を買取再販に

リフォーム会社の空き家活用ビジネスの一つは買取再販だ。物件を購入しリフォームした後、販売する。

リフォーム業界基本のキ 空き家活用ビジネス カチタスの買取再販物件。福島県の物件で駐車スペースを確保したカチタスの買取再販物件。福島県の物件で駐車スペースを確保した

リフォーム会社の強みは、自社で現場調査や改修ノウハウを持っていること。仕入れの段階で、リフォームにかける費用を事前に判断しやすいという強みがある。

だが自社で物件を購入しリフォームする先行投資型のため、費用がかかる。想定の販売価格で売れなければ、利益が確保できないことも。

空き家の所有者は売却できることで、管理する手間がなくなり、資金が得られる。そのため買取再販事業者に売却するケースも目立つ。

リフォームのポイント:地域ニーズに合わせた施工を

戸建ての買取再販でシェアが高いのはカチタス(群馬県桐生市)だ。同社の再販価格は、各地域の新築相場より安く設定する。そのためにはコストを抑えたリフォーム提案が重要だ。住設機器、外壁、内装の改修に加え、地域のニーズに合わせた施工を厳選する。

例えば寒冷地の物件で断熱性が低い場合は、インナーサッシを取り付ける。また木造戸建てはシロアリ被害にあいやすいため、防蟻処理も。さらに車社会の地方では「駐車場」が多い家が求められる。

買取再販市場の戸建ては、カチタス一強だが、リフォーム会社や工務店の戸建て再販事業が増えている。戸建ては未成熟のマーケットで、今後リフォーム店・工務店の参入が続きそうだ。

2-2 空き家を賃貸物件に

戸建て空き家の利活用の方法として、賃貸住宅に再生するケースも増えている。オーナーは賃貸物件として運用する。

リフォーム業界基本のキ 空き家活用ビジネス カラーズバリューの賃貸リフォーム事例カラーズバリューの賃貸リフォーム事例。和室を残し、壁やふすまをデザインした

リフォーム会社は物件購入コストがかからないため、買取再販よりは資金を必要としないケースがほとんど。重要なのはリフォームの提案内容だ。入居者が付き、オーナーが一定の収益を得られる物件に再生する必要がある。ファミリーからは、戸建て賃貸に住みたいというニーズも高い。

リフォームのポイント:カラーコーディネートを重視

空き家戸建てを賃貸に再生するカラーズバリュー(大阪府東大阪市)では、「古さを良さと感じてもらう」ためのリフォームに注力する。躯体補強工事、使い勝手が悪い水回り設備の取り換えに加えてカラーコーディネートを重視している。

カラーコーディネートでは、色を使ってデザインする。例えば、戸建てによくある和室は、一般的だと洋室に変えるが、同社では必ずしもそうしない。以前には畳を綺麗に引き立たせるよう、壁を淡いピンク色に変えて和室の雰囲気をがらりと変えた。また室内のふすまは壁と同系色のピンク色をベースに、白と緑のストライプにしてアクセントとしたことも。

築年数の古い戸建ては、原状回復のみでは経年劣化を感じ個性を打ち出せない。また新築のようなリノベにすると施工費がかかり、高い家賃設定をし入居率が下がってしまう。

3 空き家活用は「ペルソナ」が大事

空き家活用事業「よくばり売却」を運営する、TSUKUBITO(東京都葛飾区)の田中浩一社長は「空き家を再生する際はペルソナ設定が重要」と話す。

同事業では、ユーザーが所有している空き家の状態と周辺地域の環境を調べ、賃貸利用すべきか、同社が買取再販するか判断する。活用法だけではなく、「誰が使用するか」を想定。「独身」「結婚(夫婦のみ)」「子育て(前期)」「子育て(後期)」「シニア」などの層に合う物件か検討していく。さらにニッチな層をペルソナとして設定しリフォームすることもある。自社で展開しているリフォームのパッケージプランを参考に、どのような物件にすべきか決めていく。

パッケージプランは、サーフィンやペット、バイクなど趣味ごとに作られている。例えばサーファーをターゲットにした「ナミノリハウス」では、サーフボードを置くボードラック、海をイメージした壁紙や洗面ボウルが組み込まれている。

「空き家は、スペックが劣っていたり築年数が古いだけではなく、使い方がわからずそのままになっているケースが多い。大事なのは他にない要素を足すことです。『人と違ったものがほしい』と考えるのは、ニッチな趣味を追求している方。『サーフボードを置きたい』など趣味を楽しむために家をこだわりたいけど、趣味に投資したいので住宅にかける費用は抑えたい。そんな方を対象にしています」(田中社長)

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