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中古住宅再販事業で実績を伸ばしているのが長谷工グループの不動産仲介会社、長谷工リアルエステート(東京都港区)。2014年3月期決算では前期比約2倍の250戸の販売を達成。再販ビジネスだけで約50億円を売り上げている。
年1600件の仲介
同社はマンション建設で国内トップの実績を持つ長谷工グループの1社。不動産仲介事業を主とし、首都圏に18、関西圏に7、累計25の店舗を構える。約270人の社員がおり、年間約1600戸の仲介を行っている(再販を含めると1850戸)。
2011年4月より再販事業を開始し、2013年12月末時点での累計販売戸数は330戸。前期は単年度で250戸販売。2015年3月期は400戸の販売、約80億円の売り上げを計画している。
「買取」を選択肢に
再販ビジネスとは、中古住宅を仕入れ、リフォームしたのちに、販売するというもの。カギは売り物である中古住宅の仕入れだ。同社では物件の8割ほどを店舗経由で仕入れている。仕入れ方法は中古住宅の売却依頼が来た際、売り主に対して、そのまま仲介するか、買い取るかの2つの選択肢を提示する。
及川光俊経営管理部門営業企画部部長は「中古住宅を売りたいと考えるお客様の中には、内覧に来る買い主の方に家の中を見せたくない、家を売っていることを知られたくない、転居するからなるべく早く売りたいといったニーズがあります。このようなニーズに対しては『仲介』するより『買い取り』した方を喜ばれる方が多くおられます」と話す。
「買い取り」なら購入希望者に部屋を見せる必要がなく、素早く現金化できる点がメリット。仲介に比べて売却金額が割安になるケースが業界では一般的だが、それでも「買い取り」を希望するユーザーは少なくない。
最近は介護福祉施設に入るから早く家を買い取ってほしいという高齢者の依頼も増えているという。
不動産営業マンも従来は「仲介」1つだった提案が2つに増え、より幅広いニーズに対応できることになった。再販事業をきっかけに各店舗の業績も良くなったという。なお店舗人員は160人ほどいる。仕入れるのはマンションが100%。そのうち、長谷工グループ施工物件は5割ほど。他社施工の物件でも仕入れている。築年数は30年前後が中心だ。
新築より安く
リフォームについては300万円程のコストをかける。長谷工グループのマンション建設と同じ仕入れルートを使うことで、グレードの良いものを割安なコストで調達できている。リフォームの仕上がりは新築のようだ。
リノベーション物件「リネオ宮崎台」。割安で新築のような内装が人気
販売価格は2000万円前後が中心。住宅一次取得者層がメーンターゲット。新築よりも他社の再販物件よりも、割安な価格で買える価格に設定できるよう、仕入れ、リフォームコストをコントロールしている。
「成功事例が増えたことで各担当の仕入れやリフォームコストをどれだけかけるかというジャッジが早くなってきました。今後さらに販売事業を伸ばしていきたい」(及川部長)

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