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《新連載・経営Before⇒After》労働人口減少時代!中小企業の生存戦略

船井総合研究所 リフォーム支援部 マネージャー 石田朝希 氏
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経営Before⇒After
~船井総合研究所~Vol.1

コロナ禍、リフォーム客層の世代交代、労働人口減少時代を迎え、リフォーム業界は「大転換期」を迎えています。この連載では2021年12月には勝ち組となるため、これまでの業務フローを改革していくためのポイントをお伝えしていきます。第一回目は、業界の現状と、今後の連載につながるDXのポテンシャルをまとめました。

リフォーム業界全体を取り巻く3つの課題

経営の悩みは、企業の規模やエリア、ビジネスモデルに関わらず、(1)忙しい割に儲からない、(2)個人管理が多くデータ経営ができない、(3)次世代集客に適応し続けられない、ということに集約されます。極端な話に聞こえるかもしれませんが、「社員が辞めてしまった。どうしようかという問題も社員ではなく、この3つが原因であることが往々にしてあるのです。

(1)忙しい割に儲からない

社員は朝から晩まで懸命に働いているのに儲からない...その原因の最たるものに、リフォーム業界に蔓延る「前時代的商習慣」があります。本来「忙しいなりに儲かる」最も重要な時間は、お客様と接している時間。例えば、現場調査、現場管理、アフターフォローなどの際に新たな案件が発生します。

対照的に、移動や社内での書類作成などは、時間を消費するものの利益に繋がりにくい仕事です。例えば、お客様が振込やキャッシュレス決済に対応できるのにも関わらず、往復2時間もかけて集金に伺う。職人さんはスマホアプリが使えないからと、電話や来社打ち合わせのために、毎度毎度営業スタッフが現場から帰社している。

こういった「時間喰い虫」の仕事は、実は簡単に、場合によってはコスト0で時短できるのです。しかし、業界の「当り前のこと」として疑われることなく残ってしまい、いつまで経っても忙しいわりに儲からない状態から抜け出せず、低利益構造が固着してしまうのです。

(2)個人管理が多くデータ経営ができない

案件の進捗管理、過去客管理、原価管理、入金管理...企業が「次の一手」を的確に打つために必要なデータは、案件発生から完工後の一連の流れの中で、膨大に蓄積されます。「来月・再来月の完工見込額が少ないので、今月の販促に○○万円投資しよう」などと決断するときには、今月の追客件数や受注見込額、顧客履歴がわかる過去客リスト等のデータをもとに判断します。

このように、データに基づき経営判断をすることを「データドリブン経営」と言いますが、リフォーム業界ではまだ浸透していません。なぜなら、データが企業の財産ではなく、個人のパソコンやノートでの管理に依存しているからです。

個人でのデータ集積は「ブラックボックス」を生み出し、経営判断を誤る原因となるだけでなく、従業員の不正の温床ともなり得ます。そのため、一連の業務プロセスを経営陣間で可視化したい企業が、近年増しています。

(3)次世代集客に適応し続けられない

最後は、リフォーム客層の変化に企業が適応できないためにおこる集客の不振です。近年、リフォーム客層は、団塊世代から団塊Jr.世代へと移ってきており、それに応じて求められる業態の変化、販促媒体の変化、顧客接点の持ち方の変化が生じています。この潮流に、ついていけないとき、集客不振が表面化するのです。

今は、自分が知りたいことは、スマホで調べるのが当たり前。SNSや口コミサイト等で他のお客様と容易に繋がり、評判をシェアしあうのも普通です。子や孫とのやり取りは、文通やメールではなく、LINEやMessengerなどのコミュニケーションアプリ。物の購入は、コロナ禍も相まって、あまり人と接触せずに通販で簡単に済ませたいのです。

この世代に対して業態、媒体、顧客接点の方法を最適化できない企業は、「昔は上手くいったのに、今は...」と頭を抱え、業績不振の只中にあることでしょう。

こういった日々の経営の悩みを解決するポテンシャルがあるのが、DXです。次回からは、リフォーム事業のフローごとにDXのポイントを説明していきます。

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは

さまざまな解釈がありますが、「DX」に全く無縁の経営者でもイメージできることが大事です。【集客~アフターの各工程のデジタル化(オンライン・クラウド・AI等)により事業構造を変えること】が、DXです。

①DXは、業態転換
業務フロー全体のDXによる、オペレーション体制・人員配置・生産効率の変化があってこそ価値があります。

②DXは、CXとEXとセット
CX(顧客体験向上、顧客満足)とEX(従業員体験向上、従業員満足)はDXとセット。お客様も従業員も喜ぶDXが重要です。

③DXは、全体設計図しだい
場当たり的な導入はNG。全体像を描いて効果試算し、影響が大きい箇所から着手します。


船井総合研究所 リフォーム支援部 マネージャー 石田朝希 氏船井総合研究所 リフォーム支援部
マネージャー 石田朝希 氏

リフォーム支援部の紹介
船井総合研究所リフォーム支援部は、「家を直す」施工会社を地域一番店化する経営コンサルティングを行っています。ビジネスモデル構築サポートによる業績アップも当然のことながら、DXによる事業の高生産性化や働き方改革など、業界の未来を牽引するグレートカンパニーづくりを支援しています。

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