リフォームチラシ専門会社誕生、どん底からの再起

反響率2000分の1　リフォームチラシ作りの極意
【第1回】　リフォームチラシ専門会社誕生

どん底からの再起、全国訪問の旅へ

　セイホーコーポレーション（千葉県柏市）は、リフォームチラシ専門のデザイン印刷会社として2009年4月に設立。年々取引企業数は増え続け、現在では、全国420社以上のクライアントを持つ。また、前期は大阪営業所も立ち上げ、売上高は5億円に迫った。

　前期実績で、約50社のクライアント数の増加状況などを見ると、事業は順調なように見えるが、これまでの道のりは平たんなものではなかった。

　元々、代表である奥野清志氏は、大手印刷会社を経て約20年前に同社の前身となる印刷会社を設立した。その後、食品スーパーとリフォーム会社をメーンのクライアントとして事業を推進。チラシ印刷量が多い大手スーパーの仕事を心に、最高売上高は現在の3倍近い14億円を記録した。

　ところが、取引先スーパーの倒産が、同社を絶望の淵に追い込むことになる。

　「新しい工場を作り8億円の設備投資をしていた2年目に、スーパーが倒産したのです。3500万円が回収できなくなりました」（奥野社長）

　借入金の返済に加え、多額の負債を背負うことになり、同社はやむなく倒産に追い込まれた。ただ、リフォーム会社からの1通のメールが奥野氏を再び奮い立たせることになる。

　そこに書かれていたのは、「再起を期待しております」と書かれた激励の言葉。奥野氏はそのメールをプリントアウトし、現在でも大切に保管している。そして、気持ちを立て直し、始めたのが従来取引であるリフォーム事業者への訪問だ。北は青森、南は長崎まで全国に及ぶ。自動車で訪問すると「今まで通りおつきあいするのでぜひ、がんばってほしい」と各地域の経営者から励ましの声が続いた。