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中古住宅流通を自社内で行う場合のビジネスモデルのメリット・デメリット

畑中学 代表 (武蔵野不動産相談室)
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中古住宅ビジネスのツボ第6回 中古住宅流通を自社内で行う場合のビジネスモデルのメリット・デメリット

経営者と現場の温度差

 今回は中古住宅流通とリフォームを絡めて自社内で行う場合(内製化)のメリットとデメリットについてです。第3回のコラムでこう書きました。

《メリット》

  1. 不動産流通の利益も得られる
  2. 技術や問題が自社内にストックできる
  3. 関係部署の意思疎通がしやすい

《デメリット》

  1. 運営や設備などの経費がかかる
  2. 軌道に乗るまで時間がかかる
  3. 人の用意が必要である。

 デメリットの3要件を見ると、固定費が増えるのに軌道に乗るまで時間がかかるのでは、経営上なかなか厳しいと言えます。でも、これはあくまで経営者としての判断。現場の業務のやりやすさでは圧倒的に内製化に軍配があがります。その理由は一言でいうと"気を使わず利益を全体で見られるから"です。

気を使わないことが重要

 あるリノベーション会社の社長との話です。外製化で始めたリノベーション事業も、何回か請負額の安い案件が続いたところ、提携工務店から「大きい仕事以外は勘弁してよ」と断られたそうです。致し方がないと提携を解消して自社内でリフォーム事業部を起ち上げたところ、固定費の心配をよそに売り上げが増加したとのことでした。

 「現場の人間に仕事どう?と聞くとこう言うんだよね。もう工務店さんに変な気を使わなくてもいいので仕事がやりやすいし、仲介とリフォームのどこで利益を取るか考えて仕事取れるので仕事の幅は広がったと思います。業務効率が上がり本来受けられない仕事から利益が出るのだから、売上高が増加しても当然だよね」

仕事の幅が広がる

 このように、現場では"気を使わないやりやすさ"が中古住宅流通+リフォームの潤滑油になったようです。しかもリフォームで仕事の幅が広がり儲けが出るという副産物も付くのです。

 この考え方は工務店側も同様ではないでしょうか。1000万円ぐらいの不動産価格だと仲介手数料で儲けを出すのもなかなか厳しく、面倒くさがる不動産会社も多いでしょう。でもリフォームは欲しいとなると、気を使わず頼めるところがあれば・・・現場はこう考えると思います。

 要は"仕事のしやすさ"。内製化のメリットはここにあるのかもしれません。


畑中学代表(武蔵野不動産相談室)

≪ Profile ≫

1974年生まれ。不動産コンサルタント。宅地建物取引主任者のほか、不動産コンサルティング技能登録者などの資格も保有。長谷工アーベストで不動産の販売・企画・仲介業務に携わり、32歳で支店長に抜てき。2008年に武蔵野不動産相談室株式会社(東京都杉並区)を設立。「2時間で丸わかり 不動産の基本を学ぶ」(かんき出版)などの著作を持つ。
http://www.mf-soudan.com/
畑中 学 代表(武蔵野不動産相談室
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