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高収益を上げ続けるために、働きやすい社内システムを

タナベ経営 住まいと暮らし研究会リーダー 山本 剛史 氏
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ビジネスモデル創造
第2回 『優秀な社員が働きやすい社内システムの構築

 当研究会にて視察した、工事のマネジメントを請け負う高収益企業A社の、社内システムの事例を紹介しましょう。

 同社は、建設プロジェクトにおいて顧客側のプロジェクトチームに参加し、施工会社との間で中立的な立場から専門価値(プロフェッショナルサービス)を提供することで、フィーを得る事業を展開されています。

フィーとバリュー(提供価値)のバランスを常に均衡させる

 言い方を変えれば、高単価で仕事を得る(高いフィーを頂く)ためには、それに見合う"専門価値"を提供し続けないとバランスしません。

 フィービジネスは、労働集約型のビジネスであることから、事業が拡大した時に、増員してもサービス品質を維持しながら、人材の生産性をあげることが求められます。

 それを可能にしているのがA社の独自社内システムです。

 本システム下では、全社員の仕事の負荷状況が常に可視化され、平準化する対策が講じられています。

 各プロジェクトの収益予実管理のほか、トラブルの発見、社員の負荷調整、行動分析に基づく行動の最適化が行われています。

 特筆すべきは、行動分析について、社員1人ひとりが自身の数年前の実績や、現在の自身の実績を比較でき、目標となるベンチマーク社員の数値に近づくために自分はどうすべきなのかが、分かるようになっていることです。

自分の仕事の価値(値段)を時間単位で意識させる

 全社で生産性を維持するためには、間接部門の取り組みも例外ではありません。本システムの下では、間接部門の人件費と各個人のアウトプットが顕在化されています。

 顕在化されていないと、どこの部署からも声がかからない社員のコストが社内のあらゆるところに残ってしまいます。

 社内でお呼びがかかる社員は、周囲から仕事の価値が認められている社員です。

 しかし付随するコストを度外視して、「ちょっと手伝って」と仕事を振るケースが多いのも事実です。社内間で過度にギスギスする必要はありませんが、アウトプットの顕在化は必要です。これらのシステムは、参加者一同からため息がもれるほどの完成度でした。

 高収益企業であるということは、そこで働く社員も高賃金であるはずです。優秀(高賃金)な社員が生産性を落とさない社内の環境づくりが必要です。貴社の社内システムを再整備するきっかけにしていただければ幸いです。


タナベ経営 住まいと暮らし研究会リーダー 山本剛史氏タナベ経営 住まいと暮らし研究会リーダー 山本 剛史 氏
企業の潜在能力を引き出すことを得意とする経営コンサルタント。事業戦略を業種業態ではなく事業ドメインから捉え、企業の固有技術から顧客を再設定して事業モデル革新を行うことを得意とする。現場分散型の住宅・建築・物流事業や、多店舗展開型の小売・外食事業などで生産性を改善する実績を挙げている。神戸大学大学院卒。

この記事の関連キーワード : タナベ経営 トラブル 人件費 人材 社内システム 顧客

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