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職人の「独立支援制度」で未来の若者を創る

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職人の「独立支援制度」で未来の若者を創る

日本塗装名人社 大野塗装 代表取締役 大野雅司
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これからの塗装業界のために 【第4回】

「差別化」から「独自化」

 ひと昔前までの塗装ビジネスは「ニッチ」なマーケットだったかもしれません。しかし、今や市場には「外壁塗装」「外壁リフォーム」という看板や文字があちらこちらで飛び込んできます。近所の建築屋さんも、水道屋さんも、ガス屋さんも、電気屋さんも、みなこの塗装ビジネスに対して真剣に取り組んでおられます。

 だからこそ専門業として、さらに自社の専門性をブラッシュアップし、「差別化」から「独自化」へとシフトし、他社にない自社の強みを見いだしていかなければならないのです。そしてもう一つ!皆様も感じておられるように今は深刻な「職人不足」です。昨今、若者のなり手が少ないこの職人業界において、どのようにしたら魅力的で働きたいと思ってもらえるような業界、職場に出来るのか?そこで今回は、当社が行っている仕組みを一つご紹介します。

 それは職人さんの「独立支援制度」です。この職人業界において「独立=裏切り」などと捉える方も多く、今まで手塩にかけて育ててきたのに...と、やりきれない思いは分かります。

 しかしそれはあくまでも経営者のエゴであり、未来を夢見て経営者になりたい!と強く願う若者も少なからず存在します。だからこそ夢を抑えつけるのではなく社を挙げて支援し、未来の有望な職人を増やしていかなければなりません。

手を組み「融合」

 大切なのは、離れるのではなく、手を組み「融合」することなのです。 参考までに当社の独立支援制度の基準は、 (1)年齢26歳以上、(2)塗装経験7年以上、(3)現場責任者(職長)経験3年以上、(4)社内人事評価基準で数値350点以上―――というように、誰が見ても明確に分かるような基準です。

 また、トレーニングとして自社の職人社員にも「社内発注」を行い、いくらの物件で、いくらの利益が出るのか、と数値を見える化することにより、シミュレーションさせながら訓練しております。その中で、将来の独立を目標設定する若者も少なくありません。

 それ以外にも各自が担当している倉庫や作業車について、定期的に「環境整備点検」を行い、誰が今どのような状態なのかを見える化・数値化することによって、自ら考え行動するようになるのです。

 人はみな、少なからず成長意欲を持っております。その成長を早めるのも鈍化させるのも、経営者の責任ではないでしょうか。

 日本塗装名人社は、全国の生の事例や情報を共有し、一人でも多くの未来ある若手職人を世に輩出してまいります。個の力を点とするならば、全国の同志と手を結ぶことで線となり、この日本の深刻な職人問題を打開するべく道を切り開いていく所存です。


日本塗装名人社 宮嶋祐介取締役日本塗装名人社 宮嶋祐介 取締役

【日本塗装名人社とは】
全国の塗装専門店や塗装職人が集まり2014年に結成したグループ。将来の塗装職人の育成、良質な塗り替え施工の指導、会員の塗り替えに対する施工保証等を行う。

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