【 vol.4 】
中小企業が優秀な若者を自社に振り向かせるためにどうすればよいか
若者の価値観の変化を理解することから始める必要があります
「社会貢献できる」「給料は安くても楽しく好きな仕事を」
ポイント1 「最近の若者は...」もう昔とは比べない!!
まず昔の若者と比べる意味は全くありません。モチベーション(やる気)の源が劇的に変化しているからです。
社会全体が勢いを持って成長していた頃は「どんどん出世して、もっといい生活がしたい!」「必死に頑張ってお金持ちになりたい!」のように、どちらかというと現状に対しての不満感、渇望感からくるギラギラしたモチベーションを持つ若者が多い時代でした。
一方、最近の若者に目を向けると「社会貢献性のある仕事がしたい」「給料は安くても仲間と楽しく好きな仕事がしたい」など、キラキラしたモチベーションを持つ若者が大多数になってきています。
ポイント2 「安近短がいい」現状に70%もが「満足」
進学・就職に対する考え方も「安近短」に、劇的に変化しています。「安」できるだけ学費や生活費は安くお金を使わない、「近」慣れ親しんだ地元や近場がいい、「短」浪人やそこまで苦労しなくても入れる学校や企業がいい。
成熟した日本で、競争を良しとせず、食べる心配もなく守られて育ってきた若者たちはこれまでとはまったく違っています。少子高齢化による市場の縮小、格差社会、世代間格差の拡大など、若者を取り巻く日本の現状は、非常に厳しい状況であるにもかかわらず、20代の若者の70.5%が現状の生活に「満足している」と答えており、それは他の世代と比べ突出して高い数字になっています(2010年「国民生活に関する世論調査」より)。
ポイント3 「昔の若者」に当てはめる「愚」を繰り返さない!
今の若者を昔の若者に当てはめて判断する「愚」は、もうやめることです。
今の若者のモチベーションの源泉は、「お金やモノやポスト」ではなく、「仕事のやりがいや、気の合う仲間、社会貢献性やお客様からの感謝」などに変化した! ということを肝に銘じましょう。モノや情報があふれ、差別化が非常に難しいこの時代に最大の差別化となるのは、人材の質の向上による差別化です。
若者の価値観の変化を敏感に感じ取り、「他社に先んじて己を変化させることのできる企業」だけが、「優秀な若者の獲得競争に打ち勝つことができる」のです。
ラン・リグ(東京都渋谷区)
代表取締役社長 渡辺昇一氏
「地域ダントツ化コンサルティング」を事業コンセプトに、地域密着ビジネスに特化した集客・営業・人材支援事業を手掛ける。設立8年で延べ350社、リフォーム・工務店・不動産・医療・大学・専門学校・学習塾・健康施設などクライアントは幅広い。渡辺昇一社長は、15年間延べ8500人以上の新卒大学生の就職支援に関わった経験を生かし、さまざまな業種の地域ビジネスで培った横断的なノウハウを提供している。ランリグ
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