使える助成金のイロハ
第5回 企業全体で取り組む、業務効率化、生産性向上
現在、少子高齢化、人口減少の時代の真っただ中にさらされている日本。どこの企業も人材の確保には苦戦しているのが現状であり、この状況はさらに悪化すると予想されています。この状況を改善するための取り組みとして、よく耳にする「生産性の向上」や「業務の効率化」。この2つは具体的にどのようなことなのでしょうか。
まず、「生産性の向上」ですが、これは少ない労力で大きな成果を出す、ということです。少ない人数や時間で大きな成果を上げることが出来れば、従業員1人あたりに還元できる報酬は増加し、社内環境に十分な投資をすることが可能になります。それはやがて、優秀な人材の確保にもつながっていきます。
次に、「業務の効率化」、これは行っている業務の様々なロスをなくす、ということです。例えば、システムやソフトを導入して業務の処理速度を上げる、業務をアウトソーシングする、等。これによって、労働時間や人件費の削減を実現することができます。どちらも実行できれば非常に大きな効果を発揮するものですが、そのためには、まずは上層部が、現在の状況を正確に把握することが重要です。そのうえで業務の取捨選択を行い、組織をスリム化していくことで、業務の効率化や生産性の向上を促進していきます。そのためには社員のスキルアップも欠かせません。
企業側から、業務スキル習得のための研修や、自己管理、メンタルケアの方法などを習得するための学習機会を積極的に提供していくことが必要です。従業員のモチベーションを高く保つことも重要な役割。そのために大切なのがチームマネジメントです。
所属するチームの心理的な安定は、成功するチームの構築に最も必要なものであると言われているほどです。マネジメントの知識は実践のみで身につくものばかりではありませんので、外部の講師が行う研修に参加するなどして意見を聞くのも良いでしょう。研修は新人が受けるもの、と言わずに、管理職の人間にも学習の機会を提供することで、企業としてさらなる成長を目指せる可能性があるのです。
大切なのは、企業がトップから新人まで一丸となって取り組む、ということです。
ぜひ一度、貴社の状況を整理し、社内全体で意見の交換をしてみてはいかがでしょうか。思わぬ成長のチャンスが見つかるかもしれません。
《プロフィール》
日本社員教育高度化機構
村上浩善理事
10年で2000人以上の研修を担当。成績不振で閉鎖決定の支店を、その翌月には全国13支店のトップにしたこともある。現在は日本社員教育高度化機構の理事として、数字に直結する研修を全国の中小企業に届けている。
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