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米国の中古住宅売買はわかりやすく数値化 《米国のリフォーム市場研究》

リフォーム産業新聞
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米国のリフォーム市場研究 《第7回》
コストvsバリューレポート

コストvsバリューレポートリフォーム前後の不動産評価を数値化

 日本でもよく知られているように、米国では中古住宅の売買が活発だ。そのため、これから売る物件をより魅力的に見せるための「ステイジナー」と呼ばれる専門アドバイザーも存在するほどだ。今回紹介するのは「コストvsバリューレポート」だ。これはリフォームする前と後の不動産評価の差異を数値化したもので、全米のプロ業者が活用しているという。

リフォーム後の価値

 下の表を見てもらいたい。これは「コストvsバリューレポート」で、具体的なリフォーム前後の価格変動を示した表の一例だ。

 表のタイトルは左から、まず「PROJECT」が工事種類。「JOBCOST」は工事価格。「RESALE VALUE」はリフォーム後のその住宅の販売価格価値がいくら上昇するのか。そして「COST RECOUPED」が、かかった工事コストに対して販売価格にいくらのリターンが期待できるかを示している。これがまさに「コストvsバリュー」の意味だ。

コストvsバリューレポート

浴室リフォームで70%回収

 さらに具体的に見てみよう。例えば上から5番目の Bathroom Remodel (浴室リフォーム工事)を例に取ると、かかった工事コスト1万6724ドル(約200万円)に対して、期待される販売価格上昇額は1万1707ドル(約140万円)。リターンは70%に達するという。仮にこの住宅の元の価格が2000万円であったとしたら、200万円かけてリフォームした結果、物件価格は2140万円に跳ね上がるというわけだ。

 リフォーム投資額の全ては回収できないものの、7割は販売価格に転嫁できるというのだから、かなり率は良いだろう。

エリアや内容で異なる数値

 このレポートを30年以上前から毎年発表しているのは、本稿で何度も登場している雑誌Remodelingだ。同誌のウェブ編集長によれば、現在のリターン期待値は平均50~60%。しかし、リーマンショック前には80%を超えていたという。また、現在もエリアや工事内容によって数値は大きく異なる。

 「エリアではサンフランシスコやホノルルなどでは100%を超すことは珍しくありません。また工事内容では、玄関ドアやキッチンの面材交換など、リプレイスメント的な工事で、見た目が大きく変わるリフォーム工事で高いパフォーマンスが期待できる傾向が強いですね」(ウェブ氏)

市場レベルの高さ

 このレポートで収録されているのは工事種類で36種。エリアは全米102カ所に及んでおり、さらに過去10年の数値も見ることができる。全米を網羅している不動産団体の協力を得てデータ収集、分析しているという。

 同じことを、もし日本の不動産市場で考えたら...答えは残念ながら「リターンゼロ」になりそうだ。日本の不動産マーケットには建物価値、特にリフォームによる付加価値を評価するノウハウが全く欠落しているからだ。

 米国のリフォーム市場が活発なことの背景には、不動産市場のレベルの高さも大いに関係しているようだ。

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