リフォーム業界の第一線で活躍する「輝くリフォームパーソン」へのインタビュー。今回登場するのは、取材ではサービス精神旺盛に「何か期待に応えることを話したい」 と快く対応してくれたリアルキューブ(東京都中央区)の松尾勇作さん。施主に対しても常に寄り添い、希望を叶えるために奔走する姿勢が、信頼を集めている。
衣食住の職種を網羅 寄り添う接客がモットー
中古仲介&リノベで月1000万円
リアルキューブ(東京都中央区)の松尾勇作さん(36)。イタリアンのシェフ、アパレルの販売という経歴の持ち主。店舗スタッフとして働く中で内装デザインに興味を持ち、リアルキューブ設立の2015年に入社。現在は9年目で、営業部のマネージャーを務める。
シェフ・アパレル・住宅 衣食住をすべて経験
不動産仲介・販売からリノベーション事業まで展開しているリアルキューブ。設立した2015年、平松社長に次いで入社したのが、営業部でマネージャーを務める松尾勇作さん。当時は未経験での入社だった。
松尾さんの経歴は、衣食住すべてを網羅している。イタリアンのシェフ、アパレルの販売職、そして現在は不動産・リノベーションの営業だ。
いずれにも共通していて、松尾さんがやりがいだとも話すのが「接客」だ。前職では、接客時間が短い職種だった。顧客にもっと寄り添う仕事がしたいと思い、内装デザインに興味を持ったこともきっかけで、転職に至った。
現職では、常に施主の意見に耳を傾けた接客を行っている。手厚いフォローも欠かさず、月に1000万円の実績を出している。
「仲介から引き渡しまで、長いお付き合いになるので、その分とても喜んでもらえます。それが何よりのやりがいですね」
初対面で天気の話題 顧客の会話タイプを読む
松尾さんのところに来る顧客には、3つのパターンがある。1つ目は中古物件購入希望、2つ目はリノベ済物件購入希望、3つ目が中古購入+リノベーションだ。いずれのケースも、初回の打ち合わせは、中古物件の現地で行う。
「『はじめまして』のエレベーターの中、密室空間で、お客様の温度感を探ります」という松尾さん。初めに話題にするのは天気の話が多い。当たり障りのない話題で、自発的に話をしてくれるタイプか、寡黙なのかを把握して、その後の出方を変えているのだ。
また、スーツではなくあえてラフな装いを選択している。親近感を持ってもらおうというのが狙いだ。
2時間ほどの打ち合わせの中で、どんな部屋にしたいかのおおよその希望、重要な住宅ローンに関する話などを聞く。ここで消極的な場合は、先に進まないことが多い。
逆に、物件購入が決まってしまえば、その段階で関係性ができあがるため、購入後リノベーション希望の場合にはほぼ相見積もりは生まれない。
希望は優先順位で絞る 決まらない時は金額を出す
リノベーションの最初の打ち合わせは、約3時間、みっちり時間をかけている。ここで重要なのが、やりたいことを出し切ってもらうこと、そして希望に優先順位をつけることだ。
「一番最初に、やりたいことを全部言ってもらいます。後から増えてしまうと、予算も厳しくなり、当初の希望通りに進まなくなってしまう恐れがあるからです」
施主の希望をすべてメモし、その後メモを見ながら、どれが一番優先したいことなのかを絞っていく。
絞れず、譲れない項目があるときは両方の見積もりを出して、金額で比較する。予算からいくら溢れるのか、溢れてもやりたいのかどうか。
「たとえば1000万円のうちの50万円でも、高いと感じるのか安いと感じるのかは人それぞれです。はじめに金額に納得してもらってから進めれば、後にしこりを残しません」
マンションリノベーションの事例。3LDKから1LDK+Sに。限られた予算・広さの中でも、優先順位の高かったキッチンにこだわった。下がり天井は締め色で、ゆるく間仕切った。
中古リノベの実績で信頼獲得 転居の相談も舞い込む
やりたいことを全て聞き出すヒアリングで、成功した事例がある。
夫婦2人暮らしのマンションリノベーション。夫婦の1番の希望は、リビングダイニングの広さを確保すること。しかし、奥さんはキッチンにこだわりがあり、この2つの希望を両立させることが求められた。
松尾さんは、広さを視覚で演出してみせることにした。まず、ダイニングと隣接していた和室はなくし、広いリビングに。床は色の濃いフローリングから、明るい無垢材へ変更。柱や壁を使わず、床や天井の色を変えることで、ゆるやかに空間を区切った。天井高を出すために、直天井に変える手法はよく使うのだという。
「キッチンに大きい収納が欲しい」という希望には、デッドスペースになっていた壁面を利用し、オープン棚を設けることで応えてみせた。
「自分の好みが反映されているのかいないのか、で費用に対する心象が大きく変わります。できる限りの要望に応えられるよう、設計と協力してプランニングしています」と松尾さんは話す。
結果、この夫婦は仕上がりに大満足。入居後数年で家族が増え、転居することになったが、その際の戸建て仲介まで松尾さんへ依頼されるほど、信頼関係を築き上げた。
揃ってゴルフ好きの夫婦のために、玄関には土間を広く設け、収納スペースを確保した。
「現場に立った時は常に素人」 相手へのリスペクトが大事
施主との関係性と同じくらい、松尾さんが大切にしているのが職人との関係性だ。
未経験で入社した松尾さんがいつも心に留めているのが、調理学校時代の教師に言われた言葉。
「『現場に立った時は常に素人でいろ』と教えられました。でしゃばったりせず、いつでも相手へのリスペクトを持つこと。これは、料理の世界でも建築の世界でも通じることだと思い、昔も今も、この姿勢は変わりません」と松尾さん。
同社の職人は、立ち上げから関わっている親方職人を中心として、長く付き合っている職人ばかり。松尾さんは、「新人の自分は、職人さんに大切に育ててもらった」と感謝を語る。
現場管理は設計が担当しているが、松尾さんも現場に行けば、フランクに話せる良好な関係だ。それでも、リスペクトの念は忘れない。
「工事の質はもちろんのこと、何も言わなくても、現場をとにかく綺麗に保ってくれています。職人さんの良さは、お客様にも自信を持って勧めています」
松尾さんの今後の目標は、個人ではなくチーム、会社全体の向上だ。「チームマネジメントやマーケティング全体を動かしていきたいです」と話す。
・・・記事の続きは「リフォマガ2023年12月号」でお読みいただけます。
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