【連載 地域密着型リフォーム会社作りの設計図】商圏内におけるあなたの会社の知名度を知ると共に、ライバル会社を徹底分析し、戦略、戦術を練る
第2回「自社分析・ライバル分析」
商圏内におけるあなたの会社の知名度を知ると共に、ライバル会社を徹底分析し、戦略、戦術を練る
全国に存在するリフォーム会社は大小合わせて約7万社あるといわれています。きっとあなたの会社の近くにもたくさんのリフォーム会社が存在し、日々ライバル会社と熾烈な戦いを繰り広げていることでしょう。ライバル会社との戦いを有利に進めるためにまずは己を知り、ライバルを知ってから、戦略・戦術を練ることです。今回は「自社分析・ライバル分析」についてお伝えします。
最初にあなたが経営されているリフォーム会社について自己分析をしてみましょう。「自社の強み」「自社の弱み」をそれぞれ紙に書き出してみても良いし、ホワイトボードを使い社員達とディスカッションしてみても面白いでしょう。
自社の強みを分析する際、「自社の特徴」「経営者としての拘り」「ライバルに負けないこと」の3項目に分けて考えるとスムーズに書き出せます。どんな細かなことでも良いので一旦全て書き出すことが大切です。紙に書き出してみるとあなたの会社の特徴が見えてくるはずです。
「自社分析」
(1)自社の強み
A.自社の特徴
・熱狂的なファンが多い
・アフターフォローを重要視し、定期点検を行っている
・社員同士の仲が良い、団結力が強い
B.経営者としての拘り
・経営理念に基づいた商品をお客様に提案している
・多能工ではなく、専門職の職人に工事を依頼している
・職人会を作り、月に一度会議を行なっている。
C.ライバルに負けないこと
・お客様が困った時に直ぐに対応できる体制が整っている
・顧客とのコミュニケーション強化に日々努力している
・顧客満足度が高い(アンケート結果から)
次に自社の弱みについて考えてみましょう。経営者はとかく自社の弱みを十分把握できていると思いがち。しかし意外と見えていないことも多くあります。(見たくない部分もある)社員の意見にも素直な気持ちで耳を傾け自社の弱みをあぶり出しましょう。
(2)「自社の弱み」
・顧客管理ができていない(十分に活用できていない)
・チラシを配布しても反響がない
・見積もりの提出まで時間が掛かる
・契約に至っても着工まで時間が掛かる
・相見積もりとなった場合、価格で負けてしまう
・ここ数年顧客保有数が横ばい状態
・社員が育たない、定着しない
・知名度が低い
「自社の強み」「自社の弱み」を書き出してみて、あなたはどんなことを感じましたか? 自社の強みは言うまでもなく、経営者であるあなたが創業から今日まで社員達と共にコツコツと築き上げてきた努力の結晶ではないでしょうか。誰でも得意としていることは力を入れて取り組みどんどん成果を上げて行くものです。
一方で自社の弱みはあまり力を入れて取り組んで来なかったこと、つまり苦手なことが多いのではないでしょうか?
例えば「クレームの発生率が高い」が自社の弱みとして挙げられたとします。クレームの内容を分析しクレームの発生源を辿ってみましよう。自社の社員が起こしたクレームなのか、施工クレームなのか、自社のサービスや対応へのクレームなのか。仮に施工クレームだとしたら、職人達との付き合い方を見直してみたらいかがでしょうか。例えば協力会を発足し定期的に職人達とディスカッションの場を設ける。会議において現場で起きたクレームを職人達と共有しディスカッションをする。似たようなクレームを二度と起こさないために、職人達と一緒に予防策を考えることで徐々に職人達の意識も変わりクレームの発生率を低下させられるはずです。
自社の弱みは言い換えれば、まだまだ伸び代がたっぷり残っているということなので、弱みを一つ一つ克服していい会社を築き上げていってください。
続いてライバル分析についてです。
こちらも社員達と分析を行ってみましょう。
あなたが商圏としているエリアの中にたくさんの同業者が存在すると思いますが、まず同業者が何社ぐらい存在するのかを把握しリストを作ってみましょう。
新聞に折り込まれるチラシを集めたり、インターネットで「〇〇市 水まわりリフォーム会社」などキーワードで検索をすれば簡単に同業者はピックアップできるので最初にリストを作りましょう。また取引しているメーカーや商社に同一商圏内で元気のあるリフォーム会社を聞いてみるのも市場を知る効果的な一手だと思います。
リストが完成したら、あなたがライバルと位置付けているリフォーム会社を数社絞り出し、その中から一番のライバルとして位置づけるリフォーム会社のことを徹底的に分析し、丸裸にてみましょう。
「ライバル分析」
(1)ライバルの強み
・ショールームを複数持ち営業している
・TVCMを良く見かける
・とにかく安い
(2)ライバルの弱み
・突然の修理など対応が難しい
・担当者が毎回違う(転勤など)
・熱狂的なファン作りは難しい
ライバルを分析する上で特に相手の戦い方をリサーチしましょう。つまりライバル会社のマーケティングについてのリサーチです。
折り込まれたチラシは単に集めるだけでなく、折り込まれた日付を記録し、一ヶ月に折り込まれる頻度を調べたり、折込範囲もリサーチしましょう。チラシにはライバル会社の取り組み(サービスやアフターフォローなど)が記されているはずです。きっと顧客にとって魅力あるサービスも数多く取り組まれていることでしょう。
あなたの会社のチラシとライバル会社のチラシを並べ、あなた自身や社員達がどちらに問い合わせをしたくなるのか検証してみてください。チラシの段階でもしあなたの会社が選ばれないとしたらそれは大きな問題です。どんな点がライバル会社に劣っているのか見直し改善を図りましょう。
最近はオフィシャルホームページの他にSNS広告を活用しているリフォーム会社も多いので、フェイスブックやインスタグラムなどもチェック忘れずにチェックしてください。
自社分析、ライバル分析により、これから経営者であるあなたが商圏内においてどんな戦い方をするのか考えましょう。
次回は「あなたがお客様に約束できること」
「経営理念に紐付けた戦略、戦術作り」をお伝えします。お楽しみに。
《プロフィール》
リフォーム応援団
長野県 牧野 雅之 代表
自身も長野県を中心に活動している地域密着型のリフォーム会社の経営者です。地元エリアにて50年の歴史を誇り、豊富な実積があります。リフォーム会社向けにFC加盟店へのコーチング、チラシ・ツール制作販売などおこなっています。
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