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利益を最大化するのはどっち?比較でわかる 一気通貫VS分業制

リフォーム産業新聞社
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リフォマガ6月号

営業スタイルは大きく分けて2つ。営業担当が引き合いから引き渡しまで担当する一気通貫制か、受注までを担当し、現場は現場担当に引き継ぐ分業制。双方のメリット・デメリットを比較したとき、自分が意思決定者ならどちらを選ぶだろうか?

リフォマガ6月号(5月15日発行)では、2つの手法それぞれのスタイルを取材し、うまく運用するポイントを取材した。

ここでは、一気通貫のサンエキ(神奈川県厚木市)と分業制のビッグアイ(千葉県習志野市)の2社の戦略を紹介する。

業務を「見える化」した一気通貫で
年間売上前期比118%の5億5000万円

創業63年のサンエキ(神奈川県厚木市)。LPガス販売事業から徐々に暮らしに関わるサービスを展開し、現在は内装・外壁塗装のリフォームやリノベーション事業、不動産事業も手がける。リフォーム分野は右肩上がりで、今期売上高は前期比118%の5億5000万円の見込み。代表取締役社長の山口直也さんに話を聞いた。

サンエキ 代表取締役社長 山口直也

【一気通貫】でうまく運用するには?
属人化自体は問題なし
ブラックボックス化を防ぐ

一気通貫のデメリットとして挙げられるのが「属人化」してしまうこと。しかし山口社長は、属人化自体はデメリットではないと考える。「お客様目線で見たら、窓口が一つの属人化は、むしろ安心して付き合えるメリットです。問題は属人化によって、業務がブラックボックス化してしまうこと。そのため、その人がいなくてもフォローできるよう、業務の共有を徹底しています」

情報共有で主に使っているのがkintone。見積書や発注書は全て保管するうえ、複写式の打ち合わせ記録シートを毎回残すのがルールだ。記録のポイントは、何をしたか・何を約束したか・次のアクションの3つ。次のアクションは、必ず明確な日付を決める。どんな小さな打ち合わせでも記録を残すことで、常時誰でも工事規模や進捗状況を把握できるのだ。

予定はシステム上に落とし込み、自動アラートが機能する仕組み。また、最低限のTODO約30項目を、毎日退勤前にチェックすることを習慣化させた。これにより、マネージャーの管理負担も削減できている。

「現在、一番重要視しているのは、リピートに直結する顧客満足度です。ある程度利益率を下げてサービスしても構わない、と考えています」と山口社長。目先の利益より、将来的に安定した利益を生み出せるよう、リピーターの獲得につながる施策を推進していくという。

Q 一気通貫のメリットは?

1.対顧客目線の安心感

リピートをいかに獲得するかが、集客コストを下げて利益を上げるポイント。そのためには、顧客満足度を高めるのはマスト。多くの場合、施主が契約に至る際に、営業担当を気に入っているため、一貫して同じ担当者の方が得られる安心感が大きい。

2.契約をゴールにしなくなる

分業制で営業のみに徹すると、営業担当は粗利や受注金額ばかりに意識がいき、金額重視になりかねない。一方で、工事担当は工事の質を重視するため、1つの案件内で利益相反の状態に。一人で全体を見ることで、このリスクを抑えられる。

3.営業にやりがいが持てる

業務をこなすようになり、流れ作業になってくると営業のやりがい搾取につながる。すると、対顧客のホスピタリティや品質低下に。多少業務効率を落としてでも、やりがいを優先するのがサンエキの考えだ。

サンエキ Q一気通貫のメリットは?

気配りの余裕が生まれる分業制
「働きやすくなった」と感じる環境変化

5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)を徹底し、会社全体で常に顧客が心地よく過ごせる環境づくりに取り組んでいるビッグアイ(千葉県習志野市)。女性中心のデザイン営業部と、施工管理の工事部による分業制をとることできめ細やかな顧客サービスを実現している。前期の年間売上高は2億6000万円。デザイン営業部 主任の金井由佳さんと工事部 課長の松崎貴紀さんに話を聞いた。

ビッグアイ 主任の金井由佳さん 工事部課長の松崎貴紀さん

【分業制】で良くなったことは?
スタッフが働きやすい体制で
顧客サービスが向上

ビッグアイが分業制に移行したのは2010年ごろで、以前は一気通貫だった。しかし、当時を知る金井さんも松崎さんも、分業制のデメリットはあれど「今の環境の方が良い」と口を揃える。働く環境が大きく違うという。

すべてを一人が抱える一気通貫では、日中は商談と現場管理に追われ、夕方にやっと事務作業に取り掛かれる、という状態。分業制の今は、ヒアリングや図面作成、仕様決めなど、着工までにじっくり時間をかけて顧客対応ができる体制だ。現場が重なると、問い合わせに即座に対応できず、顧客を待たせてしまうこともあったが、それも解消された。

「営業と現場が分離したことで、お客様にはプラスαのサービス提供ができるようになりました。社内ではそれぞれの作業に専念でき、持っているスキルを最大限発揮できます。シフト制でしっかり週休2日をとっても誰かがサポートしてくれるので安心です」(金井さん)

丁寧に準備できる分、工事担当者とも仕上がりイメージを詳細に共有できるようになった。これにより、施工品質の向上にもつながったという。

「これまでスピード優先で、現場判断してしまっていた納まりもありました。ですが、今は、職人さんを少し待たせるとしても、営業部を通して必ずお客様に確認のひと手間を挟みます。最終的にはお客様満足が一番ですから」と松崎さんは話す。

小工事であれば、営業と工事サポートスタッフのみで終えることもあるが、原則としてすべてを一人だけで抱えることはない。複数の目で抜け漏れを防ぐことにより、工事品質・顧客満足度を上げることを重視している。

Q 分業制のメリットは?

1.顧客を待たせない
問い合わせの窓口が増え、顧客はタイムリーに連絡が取れる。営業も商談に集中でき、現場対応に追われて顧客を待たせることが減る。商談と現場が並行しても、円滑に進められる。

2.相談・提案しあえるチーム
1つの案件を複数人でみるため、何かあったときに相談しあえる。営業・工事担当それぞれの立場からのアイデアを相互に提案しあえる環境が整っている。

3.得意分野を活かせる
現場の作業は重労働が伴い、女性スタッフには負担が大きかった。分離することで、商談やプランニングに専念できる。

ビッグアイ 社内会議

・・・記事の続きは「リフォマガ2024年5月号」でお読みいただけます。

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