【 vol.7 】 自社情報の「ブレ」をなくし、イメージを統一
今回は新卒大学生(以下就活生)を、いかに集めるか=どうやって就活生と接点を持つかについて、お話しします。
ポイント1) 欲しい人材のタイプと人数で求人手法は違う
就活生と最初に接点を持つ方法として(1)マ〇ナビ、リ〇ナビなどの採用広告に出稿、(2)各種合同説明会に参加、(3)大学(学部、就職課やゼミなど)経由などが一般的です。どんな学生を何人採用したいかによって、どの手法にどれくらいコストとパワーをかければよいのか変わります。
1~2名なら簡単な採用案内と採用HPを用意して、上記③の大学経由(求人票など)でコストをほとんどかけずに採用できる可能性もあります。
ただ一定以上のレベルを求め、5名以上の採用となってくると、そうはいきません。 1名の自社に合った学生を採用に結び付けるために、経験則ですが20名の学生と接点を持たなければいけません。コストはかかりますが採用広告、合同説明会、学校関連のさまざまなルートを通じて求人する必要が出てきます。
ポイント2) 自社情報の差異をなくす
その際、一番気を付けないといけないのは、ルートによって伝わる情報(コンセプトなど)に差異が出ないようにするということです。
単純化した例を出しますと、広告上では「若い社員が多く笑いの絶えないプライベートも仲の良い会社です」と打ち出しているにもかかわらず、合同説明会では「お疲れ気味の年配のご担当者がつまらなそうにブースに座っていて、合流した社員との会話もよそよそしい」。
他にも、採用パンフには「大きなマーケットにリスクを取りながら果敢にチャレンジし急成長していく会社です」と打ち出しているにもかかわらず、HPでは「ゆっくりでもいい。小さなことからコツコツと地道に実直に」など。笑い話のような例ですが、意外とこういう中小企業が多いのが現状です。
特に住宅業界の中小企業では、定着率という部分を考えても「人志向」の学生をターゲットに置いた方が成功する場合が多いです。
ポイント3) 必要なのは「全体設計と管理」
採用ブランドというのは、情報の中身×接触回数で確立していきます。その情報にぶれがあると、それを学生は敏感に察知し、本能的に敬遠します。 CMやその他のルートでブランドが確立している大手企業と違い、就活生に対する認知度の低い中小企業は、特に採用広告や採用ツール、様々なルートを通じて与えるコンセプトイメージはもちろん、実際に採用スタッフが発する言動や雰囲気なども含め、与える情報を統一できるよう、全体設計と管理が必要なのです。
ラン・リグ(東京都渋谷区)
代表取締役社長 渡辺昇一氏
「地域ダントツ化コンサルティング」を事業コンセプトに、地域密着ビジネスに特化した集客・営業・人材支援事業を手掛ける。設立8年で延べ350社、リフォーム・工務店・不動産・医療・大学・専門学校・学習塾・健康施設などクライアントは幅広い。渡辺昇一社長は、15年間延べ8500人以上の新卒大学生の就職支援に関わった経験を生かし、さまざまな業種の地域ビジネスで培った横断的なノウハウを提供している。ランリグ
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