第7回 中古住宅流通ビジネスは具体的にどのような流れで進んでいくのか
2つの失敗例
さて、今回は中古住宅流通ビジネスを「具体的にどのような流れで進めていくのかがいいのか」について触れてみます。
一般的には「資金計画も不動産も決まらなきゃリフォームは決まらないよ」と、(1)資金計画→(2)不動産→(3)リフォームという流れで考えられる方が多いと思います。しかし、実はこの流れは無駄が多いようなのです。
中古住宅流通ビジネスに関与している経営者に聞いてみると、皆さん言葉にはせずとも共通して思っていることのようです。その理由は、中古住宅流通ビジネスの現場でよく起こる2つのケースがあるからです。
1つ目は、お客さんが「このマンションにします」と決めてからリフォームの打ち合わせに入ったら、希望のリフォーム内容では全く資金計画が成り立たなかったという、(1)(2)を詰めてから(3)が駄目だったケース。
2つ目は、時間をかけリフォームの内容や費用を決めたのにお客さんが「やっぱり別のマンションにします」という、(2)が不安定だったので(3)が無駄になったケース。(1)資金計画→(2)不動産→(3)リフォームという流れで進めていると、この2つが頻発します。
「ここまで来てやり直し?」と私もよくこの2つのケースで泣かされた口。今までの活動が無駄になるので、経営者の視点ではとても痛いケースです。
プラン・費用を最初に
では、流れはどうすればいいのでしょうか? 答えは(1)資金計画→(2)リフォーム→(3)不動産という流れにするのが正解のようです。
より細かく言うと、買える上限の資金計画を念頭に、希望のリフォーム内容の把握と概算の算出、そのうえで不動産探しをして、大枠が決まればリフォーム内容と費用の精査を行い、実際に支払う資金計画を固めてフィニッシュという流れでしょうか。
「希望されるリフォーム内容を平方メートル当たりの概算で出してから不動産探しに入ります」
「リフォームの総費用を少し多めに出し、どんな不動産でもその費用の枠内で収めます」
「幾つかのリノベーションプランの中から選んでもらうようにすることで、どんな不動産にされても予算、その他問題なく収まるようにしています」
これらは中古住宅流通ビジネスで活動されている会社のリフォーム担当者の言葉です。言葉は各々違いますが、「不動産を見る前に内容と費用の当たりはつけておく」という点では同じです。こうすることで先に挙げた2つのケースでの大部分の無駄は避けられるはずです。また、これは不動産会社が行う中古住宅流通ビジネスよりも効率化できそうです。
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