案件ごとの個別性が高いリフォームの業務。そのため、体系的な教育が難しいとも言われる。 どのように成長していけばいいのか悩んでいる営業スタッフも多いことだろう。 そこで12月15日発売のリフォマガ2024年1月号では、いま大活躍するトップ営業が、新人時代にはどのように考え、 行動したかの実体験を踏まえた成長へのヒントを大特集する。
雌状の3年間を経て 売上、粗利率ともにトップ
アートリフォーム(本社・大阪市吹田市)豊中支店の主任を務める三井里華さんは、反省の弁を常に述べるような、真面目で謙虚な性格。新卒入社で3年目まではなかなか成果が挙がらずに苦しんだものの、堅実な仕事を積み上げることで、顧客や職人からの信頼を徐々に獲得。8年目の現在、リフォームアドバイザー180人の中で、売上と粗利率でともにトップに立つ。その成果の軌跡をたどった。
アートリフォーム(本社・大阪市吹田市)
豊中支店 主任 三井里華さん
●1年目 複数の先輩の営業スタイルを学ぶ
2カ月間の研修を経て、6月に千里万博支店に配属され、先輩について学ぶ。支店10人中新卒4名。行きたい現場があったら声をかけて連れて行ってもらうスタイルだった。
「フレンドリーな先輩が多く、複数の営業手法を学べたの が良かったです」。例えば、ネットを駆使しLINEで全ての情報を関係者に共有する人から、現場に紙の資料を貼って口頭で指示を伝える人までいた。
秋から担当を持ち始める。フォローの先輩同席で、トイレなど小工事からスタート。1人で行くようになっても、不安な案件だと先輩が付いてきてくれるし、1人で行った 時には「どうだった?」と聞いてくれた。「基本に忠実」を心掛けていた。
●2年目 売上目標が付く
年次に合った案件を差配される。2年目の終わり頃には施工費700万円の案件を担当。
●3年目 売上目標を達成できず
売上が上がらない、人とうまく付き合えないなど、悩み多き1年だった。案件を捌くことに精一杯で、提出前日に見積もり作成し、先輩がチェックをできない状態。上司同席の大型案件を失注することも多く、ストレスが溜まる。年間売上は約4000万円で、目標を達成できなかった。
<自己分析>
ペース配分、各顧客に合わせた進め方、ホウレンソウ(社内、顧客)など諸々が雑でした。1000万円超の案件ではヒアリング不足で、予算重視の顧客に不要な提案をしたり、逆に必要な提案をできずに失注していたと思います。1年目から教わっていた先輩が異動してしまったこともあり、素直に意見を聞き入れて改善することができなくなっていました。
●4年目 意識が変わり、粗利率がトップクラス入り
支店の新卒入社のなかで年次が1番上になり、自分が数字をつくらなければという意識に変わった。また、案件数をこなすうちに効率化が図れ、多数の客を抱えながらのリズムをつかむ。大型案件が増えて関わる職人・打ち合わせにかける時間も変わってきた。
ただ、4年目はクレームが多く、失敗から学んだ年でもあった。助けてくれる先輩、職人に恵まれ「自分は1人じゃない。トラブルに巻き込んだ人たちにお返しをしないと」という意識に。助けてくれた人たちから一緒に仕事をしたいと思ってもらえるために、できることを考え出す。
数字としては、粗利率がトップクラスに入り始める。これは毎回、 「設定した単価」と「実行予算」を比較して、設定単価を実際に近づける改良を重ねていたことが功を奏した。「職人が動くとお金がかかることをきちんと意識したのもこの頃です」。2〜3年目はなあなあな部分があり「動いてくれるのは当たり前じゃないよ」と職人に言われたこともあった。
図面を用いたオリジナル指示書
4年目には資料づくりにもこだわり出す。図面に指示を書き込んだ職人ごとの指示書を採用し、今も使用している。「最初に時間がかかっても、指示書を共有すれば現場がス ムーズに進み、トータルで早く終わります。手戻りも少なくなります」。
- 赤ペンで×を付けて解体部分を明示
- 職人にお願いする作業に蛍光ペンで印を付け、それぞれの作業日を記入。
●5年目 売上トップ20入り、粗利率1位
実績、人柄が評価され、副主任に昇進。年上を含む10人の部下を持つようになる。チーム全体が幹線道路沿いの支店に移動し、来客の多いショールーム勤務になる。
コロナ禍に突入し、設備・建材の入荷が滞ったこともあり、会社全体として売上が下がったが、その中でも売上5900万円のトップ20に入る。粗利率は1位に。
●近況 7年目に180人中売上トップに立つ
6年目の2021年に売上3位、7年目の2022年には1位に。主任に昇進も果たす。
オンラインを経て、最近は対面での打ち合わせに戻り、顧客の感情が読みやすくなったと感じる。顧客に合った提案ができるようになってきた。大型案件ではプランナーに間取りを考えてもらうが、それを受けて自分なりに意見を言えるようにもなった。
リフォーム産業新聞を新しいネタを仕入れるのに活用。特に新商品情報が好きで、気になる商品はカタログを取り寄せてプランに取り入れる。3〜4年目頃はワンパターンだった提案に、ここ1〜2年で幅ができてきた。
・・・記事の続きは「リフォマガ2024年1月号」でお読みいただけます。
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