性格に関わる事例 ― vol.7 ―
クレームは、時代の流れ・変化、経済状況によりさまざまな形になって表れますが、ほとんど変わらないのが性格的なものです。理屈では解決できないことが多いので、少々厄介なクレームです。
対応はやや難しいものがありますが、早い段階での察知、事前情報により解決が早まります。
お客様から強くクレームを言われると萎縮したり、カッとなったりしがちですが、冷静に相手を見て毅然と対応することが必要です。
激情型
瞬間的にかっとなるタイプです。何を言っても聞かないで自分の言うことだけを言って勝手にわめき散らす、始末の悪いタイプです。全て自分の言い分が正しいと思っており、理屈では納得しません。特に電話だと口の利き方もひどく「テメー、この野郎」といった怒鳴り声も出ます。人間性を傷つけるような言い方であれば、たとえお客様でも電話を切るのも一策です。
対応 面と向かうと強く言えない人が多いので、少し間をおいて面談すると効果的。
脅迫型
「どうしてくれるのか」と言うタイプです。年配の人は直接的にこう言う人もいますが、あまり言うと脅しになります。最近は脅しも静かな口調で言う人が増えてきました。暗にネットの話、ツイッターなどの話をしますが、はっきりした要求は口にしません。脅迫行為になるからです。
対応 あまりに言う場合は「脅しですか」と言うことも必要です。100%要求をのむ必要はありません。
官僚役人型
役所的、事務的に考えるタイプです。会社としてどう考えているのか、などの建前的な話をする人には、きちんとした対応が必要です。ただし余計なことは話さないように。文書等の要求もするので、むやみに書類は出さないよう注意が必要です。後で上げ足を取られます。
対応 文書要求の趣旨を尋ねましょう。もし文書を出すなら余計なことは一切書かないことです。
権威型
現役時代ある程度の役職、役員についており、今も現役でバリバリだと思っているタイプです。プライドも高く、自分の意見が通ると思っていて、すぐ上司を出せとか、本社と話をするなどと言い、権威的で言い方も高圧的です。
対応 担当者が若いと対応を誤る危険性があります。ある程度の職責者が対応し、「仰せごもっとも」など、少し相手を持ち上げるような対応が必要です。
≪Profile≫
20年以上にわたり、大手ハウスメーカーの営業所長、事業所長を歴任。その後新設されたリフォーム事業所長に抜擢、8年間で業務・経営効率の改善を図り業績伸長に貢献した。2010年にカーサ企画を設立、現在はリフォームや不動産コンサルティング活動のほかセミナー講師を行っている。
◆會田氏の著書◆ 「クレーム110番」 クレームを5つに分類し、57の事例紹介と解決策、および予防策を解説している。人材教育テキストとして活用するリフォーム会社も多数あり。
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