【連載 地域密着型リフォーム会社作りの設計図】毎月の広告宣伝費にいくら投資できるか?
第7回「毎月の広告宣伝費にいくら投資できるか?」
※3Mの重要性と費用対効果の指針
リフォーム会社として最も手軽に始められる広告宣伝といえば新聞折込でしょうか。最近ではSNSを活用した動画広告も手軽に配信できるようになりましたが、まだまだリフォーム業界における広告宣伝の王道と言えば折り込みチラシだと思います。毎週末、新聞に折り込まれてくるリフォーム会社のチラシの多さがそれを物語っています。今回は「毎月の広告宣伝費にいくら投資できるか?」をお伝えしましょう。
売り上げを築くためのスタートは宣伝から始まる。
どんな業種も広告宣伝を行わなければ、お客様に商品やサービスを伝えることができません。また、どんなに魅力的な商品でも世に知られなければ販路を築くことはできません。
つまり商売を行う上で広告宣伝はとても重要なのです。経営者であれば広告宣伝の必要性は理解されていると思いますが、やはり気になるのは費用対効果ではないでしょうか。
チラシを活用して宣伝を行う場合、デザイン費、印刷代、折り込み費用が掛かります。自社が定める商圏に3万枚のチラシを配布するとなれば、1回あたり20万円程度の広告宣伝費が掛かります。チラシを大量に撒いても電話が1本も鳴らなければ広告宣伝費は水の泡と消えます。「こんなに大量にチラシを撒いたのに、これでは費用対効果が見込めないじゃないか!!」気の短い経営者なら顔を真っ赤にして担当者を叱りつけることでしょう。チラシによる営業手法は前回お伝えした「狩猟型」に当てはまります。狩猟型手法はある種博打のようなもの。当たるときもあれば、空振りに終わることもあるのです。
大手企業のように潤沢な資金を元手に広告宣伝が行えるのは難しいとなれば、知恵を絞った戦いを臨まなくてはなりません。
広告宣伝費は売り上げの何%?
あなたのお店では広告宣伝費を売り上げの何%ぐらいと考えていますか?
リフォーム業界の広告宣伝費は売り上げの2%~7%と言われています。できれば広告宣伝費を2%~3%ぐらいに抑えたいと考える経営者は多いのではないでしょうか。
私は反響があってもなくても、毎月必ず商圏内にチラシを投下することが大切だと考えています。反響がないから止める、ライバルのチラシを目にして再び折り込む。これでは、いつまで経ってもあなたのお店がお客様から周知されることは難しいでしょう。
まず毎月の広告宣伝費の予算を考えてみましょう。毎月商圏にチラシを配布するにはどれぐらいの費用が必要になるでしょうか?商圏内の折り込み枚数(世帯数)をリサーチし、デザイン費、印刷代、折り込み代を合算すれば一回あたりの費用が見えてきます。ついつい一度に大量のチラシを撒きたくなってしまいがちですが、欲張らずに毎月継続できる範囲で予算を組むようにしましょう。
私の考えですが、毎月の広告宣伝費は営業マンの人件費と考えるようにしています。営業マンが3万枚のチラシをポスティングで配布することは時間的にも体力的にも難しいと思います。新聞に折り込むことで一度に3万世帯にオファーを届けることができます。
ただし新聞折り込みによるチラシ配布は商圏内を一網打尽にできる一方、関心のない方々には不要な情報ということになり、殆どのチラシは古新聞と一緒に回収されることになります。しかし商圏内に継続してチラシを配布することにより、あなたのお店の知名度は徐々に上がっていきます。つまり反響がないからと言って広告宣伝費が全く無駄になると言うわけではありません。
※ポイント 毎月の広告宣伝費を予算20万円とした場合、商圏を半分に減らして同一商圏に2回チラシを配布することをお勧めします。
3Mの重要性
広告宣伝を行う上で反響率を高めるためにポイントとなるのが3Mです。
3Mとは「マーケット(Market)」「メディア(Media)」「メッセージ(Message)」の頭文字から取ったもので、どれか1つでも欠けると上手く行きません。反対にこの3つのバランスが取れていれば、大きな成果を生み出せます。
例題 ガスふろ給湯器を販売する3Mを考えてみましょう。
ガスふろ給湯器の主たるマーケットは設置から10年以上した戸建て、マンション所有者でしょうか。
次にメディアの選択ですが2012年以前にガスふろ給湯器を設置した顧客情報をお持ちであればDMが有効的でしょう。また築10年以上経過したマンションへのポスティングなども効果が得られるでしょう。(マンション管理組合に許可が必要)
最後にメッセージですが「ガスふろ給湯器の寿命は約10年、2012年以前に設置したガスふろ給湯器はそろそろその役目を終えようとしています!!」など顧客の心に響くメッセージを考えてみましょう。
チラシをデザイナーに丸投げしている方もおられますが、自分自身が考えた3Mを活用しながら効果の高いチラシを開発しましょう。
※以下の表を活用してカテゴリーごとに3Mを考えてみましょう。
「毎月の広告宣伝費にいくら投資できるか?」についてお伝えしてまいりました。早速、1~5を順番に実行してみましょう。
1. 広告宣伝費は売り上げの何%に設定するか決める。
2. 毎月の広告宣伝費を決める。
3. あなたの売りたい商品の3Mを作る。
4. 3Mに基づき、チラシ、DM、SNSなどを活用して広告宣伝を行う。
5. 反響を検証する。結果が思わしくない場合は3、4を見直し、再度実行する(繰り返す)
次回は
8.「ユニークな取り組みでファンを増やす」
※ライバルとは一風変わったイベントや紙上展示会などを開催しファンを増やすについてお伝えいたします。お楽しみに。
《プロフィール》
リフォーム応援団
長野県 牧野 雅之 代表
自身も長野県を中心に活動している地域密着型のリフォーム会社の経営者です。地元エリアにて50年の歴史を誇り、豊富な実積があります。リフォーム会社向けにFC加盟店へのコーチング、チラシ・ツール制作販売などおこなっています。
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