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断熱リフォームの盲点~間取りと暖房

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断熱リフォームの盲点~間取りと暖房

環境エネルギー総合研究所 代表取締役所長 大庭みゆき氏
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HAPPYにさせるエコリフォーム

第6回 間取りと暖房の盲点

 住宅エコポイント復活の兆しもあり、これを機に断熱リフォームをされる家庭も増えるだろうと予想されますが、その際の盲点となりやすい「間取りと暖房」についてご紹介します。

断熱リフォームの盲点~間取りと暖房1

 住宅の省エネ性は一般的に「次世代省エネ基準」に基づき、熱損失係数Q値(室内外の温度差が1℃の時、家全体から1時間に床面積1㎡あたりに逃げ出す熱量)によって地域別に基準が決められています。Q値は「家全体」を対象としているため、全体の断熱性能を評価するにはとても適しています。

 一方、日本の住宅では暖房は部屋ごとに行われている場合が多く、特にインナー階段や吹き抜け等がある場合、空調する空間が大きくなるため、断熱リフォームをする場合はQ値とともに、住宅内の「間取りと暖房の検討」をされることをお勧めします。

 弊社の調査結果では、築年数5 年未満の住宅では約30%、5年~10年の住宅の約20%にインナー階段が設置されていました。インナー階段がある部屋を暖房すると、温められた暖気は軽くなって上方にたまり、そのままインナー階段を伝って上階に上がって行きます。壁や窓、床等の断熱リフォームだけでは、十分ではなく、部屋の中の暖気の流れを止める対策をする必要があります。

断熱リフォームの盲点~間取りと暖房2

 これはインナー階段だけではなく入り口のドアがない場合等、間仕切りがない空調空間が大きな間取りの住宅では、暖房している部屋の暖気の流出と住宅内の他所からの寒気の流入を防ぐ対策が必要と考えます。


1121_07oobamiyuki.jpg≪プロフィール≫

環境エネルギー総合研究所 代表取締役所長 大庭みゆき氏

工学博士。専門は伝熱工学。財団法人省エネルギーセンター勤務を経て平成10年、株式会社環境エネルギー総合研究所を設立。「生活者の視点でフィナンシャルにエネルギーを考える」をモットーに、家庭を中心としたエネルギー関連調査、省工ネアドバイスを実施。納得できる暮らしの質の向上にこだわる住宅等の研究にも注力する。
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