クレーム発生の理由 ― vol.8 ―
クレームは突然降って湧きません。必ず予兆があり、因果関係があります。
これまでお話ししてきた事例にあるように、クレームは全くの人災。会社への期待度、打ち合わせの充実度、約束、連絡等、大半は人的要素、対応のまずさ、遅れ等によって引き起こされます。火の気のない所に煙は立たないのです。全ての火の気を察知するセンサーを持つのは難しいですが、事前に情報を入手し冷静に分析、判断すればかなりの部分を未然に防ぐことができます。
●期待が大きければクレームも大きい
リフォームするお客様は様々な期待をしています。その期待度によってクレームの大きさは異なります。金額の高い物は高い満足、安い物は低い満足ではありません。説明不足によるクレームも多いもの。リフォームはお客様の満足が作り手の喜び、満足です。そのためには事前打ち合わせの段階でお客様のニーズ、イメージ、生活感、経済観念等をつかむことが重要です。
◇ポイント: お客様の期待感とニーズを確実につかむ
●お客様は満足を買う
お客様がリフォームに求めるのは喜び、満足です。単にリフォームするだけではなく、その物が持つ機能、利便性、付加価値的なサービス、生活・暮らし方、スタッフの対応等です。そのために高い対価を払って満足を買うのですから、満足は当り前。満足が買えなければクレームになります。さらに心の部分、精神的に癒される要素、感動も重要度は高いのです。
◇ポイント: 満足は当たり前。感動を与えるサービスを
●約束が違う
リフォームの場合も必ず契約行為がありますが、契約通り工事も工期も遂行しなければ契約不履行で損害金の請求もされます。図面も、見積もりも、工期も契約通りに、また口約束でもやらなければクレームです。当たり前ですが、何事も約束は守ることです。
◇ポイント: 全て約束は守る
●3つのしっ放し
売りっ放し、工事しっ放し、引き渡しっ放しも大きなクレームを生みます。家は住んで生活してみてどうか、お客様に引き渡してから本当の満足が評価されます。さらにどういうケア、サービスが提供できるかです。
◇ポイント: 常にお客様をサポートする
その他原因は様々ありますが、全員がお客様目線で考えれば発生は必ず防げます。
≪Profile≫
20年以上にわたり、大手ハウスメーカーの営業所長、事業所長を歴任。その後新設されたリフォーム事業所長に抜擢、8年間で業務・経営効率の改善を図り業績伸長に貢献した。2010年にカーサ企画を設立、現在はリフォームや不動産コンサルティング活動のほかセミナー講師を行っている。
◆會田氏の著書◆ 「クレーム110番」 クレームを5つに分類し、57の事例紹介と解決策、および予防策を解説している。人材教育テキストとして活用するリフォーム会社も多数あり。
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