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【地域密着型リフォーム会社作りの設計図】会社の最も重要な資産でもある顧客情報を活用した戦略・戦術作り

リフォーム応援団 長野県 牧野 雅之 代表
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地域密着型リフォーム会社の作り方

第9回「顧客管理とは?」

リフォーム業に限らずあらゆるビジネスにおいて"顧客管理"は経営の舵取りを行う上でとても重要であると言えるでしょう。しかし顧客リストは保持しているが、それを活かしきれていないと考える経営者も多いのではないでしょうか?

今回は会社の最も重要な資産でもある顧客情報を活用した戦略・戦術作りについてお伝えいたします。

1.顧客管理とは

最初にあなたのお店では顧客管理がしっかり行われているでしょうか?

「あなたのお店の現時点における顧客保有数を教えてください。」と、尋ねると大概の経営者は即答できず黙り込んでしまいます。顧客保有数は日々変化するので、正確な数を把握するのは難しいかも知れませんが、せめて毎月末に顧客保有数を把握するように心がけましょう。

新規客が増えた場合には業務管理システムや顧客台帳に追加をすれば良です。一方で予想以上のスピードで顧客保有数が自然に減っていることを受け止め、常に正確な顧客保有数を把握しなければなりません。

顧客が減る主な理由として考えられるのが高齢化。介護が必要になり施設に入るため家を売却や、世帯主が亡くなり子ども達と同居などの理由が見受けられます。やむを得ない理由であれ長年取引をさせて頂いていた顧客が自然に減って行くというのは寂しいものです。

顧客が何らかの理由により家を売却した場合や転居した場合、情報をいち早くキャッチし、常に顧客情報は新鮮な状態を保つようにしましょう。

顧客保有推移表

表はあるリフォーム会社の2021年度の顧客保有推移表です。

キャンペーン・セールなどの営業努力により単月で新規客を19件獲得した月もありますが、同月6件が減っています。また、数字を詳細にみると月平均で4.5件減っていました。つまり営業努力を怠り新規客を全く増やすことができなければ、顧客保有数は年間50件程が減って行くことになります。経営者にとってはゾッとさせられるデータです。

ポイント/毎月末に顧客保有数を把握しましょう。顧客は増えるだけでなく、減ることもある。転居や売却の際の情報をいち早く掴めるようにしましょう。

2.顧客情報を活用した戦略・戦術作り

(1)顧客情報収集の目的

顧客情報を活用した戦略・戦術作りを行う前に、まず顧客情報をどうやって収集するか社内でルールを作らなくてはなりません。

決められたルールは社員達に日々遂行してもらわなくてはなりませんが、新たなことを始めると社員達は反発をし、なかなか経営者の思い通りに事は進まないものです。これは私の経験から言えることですが、上手く行かない理由は経営者の考えや思いを社員に伝えきれていないからです。

経営者であるあなたは顧客情報収集がなぜ必要なのか社員達が理解できるまで説明をしなくてはなりません。顧客情報を毎日コツコツ集めた先に何が待っているのか、顧客情報を活用して会社がやりたい事を社員達に理解してもらいましょう。

ポイント/経営者自らが顧客情報収集の目的を社員達に説明し理解してもらいましょう。年間顧客保有数の目標を掲げて社員全員で取り組むとより良いですね。

(2)フォーマットを作る

顧客情報を収集する際にフォーマットが必要になります。個人情報の他にあなたが情報として得たい事項をフォーマットに加えましょう。築年数、住宅設備機器、屋根・外壁など住まいの情報をできるだけ簡単に記入できるフォーマットを作りましょう。

ポイント/新人もベテランも記入し易いフォーマットにすることが大切です。感性が含まれると情報にバラ付きが生じてしまうので、フォーマットの作成は社員達と話し合って決めることを推奨します。

(3)顧客管理責任者を決める

顧客情報を管理するために、必ず顧客管理責任者を定めましょう。営業がその日に得た顧客情報を日報と共に提出してもらい、顧客管理者がシステムへのデータ入力を行う。毎日コツコツと集めた情報をデータ入力することで、1年後、2年後には会社の最も大切な資産とも言える顧客情報を膨大な数に増やすことができます。

ポイント/管理者は営業アシスタントなど内勤者が適任です。その日に訪問したお宅の情報を営業がフォーマットに書き、それを顧客管理責任者がデータ入力をする。習慣化するまで経営者は目を光らせましょう。

(4)顧客情報の共有化

毎月末のスタッフミーティングで現在保有している顧客数、新規顧客獲得数、自然消滅した顧客数を把握しましょう。自社の営業活動で新規客をどれだけ増やすことができたのか、自然消滅する顧客数がどれだけ発生したのか把握できれば、年間どれだけ顧客が±となったか把握できます。

ポイント/毎月末には顧客保有数が社内で共有できるような仕組みを作りましょう。新規客を獲得した理由、自然減となった理由をリサーチできれば、今後の営業施策に役立ちます。

(5)顧客情報の活用

顧客情報を活用すればキャンペーンやセールに見込み客に対してピンポイントにアプローチができます。

例えばトイレや給湯器など設置年月日が分かる商品は10年後に経年により買い替え需要が起きます。つまり今日、販売した商品は10年後に自然に買い替えてもらうことができるのです。給湯器などは設置から10年が寿命だと知らない顧客も多いので、「2012年以前に設置した給湯器はそろそろその役目を終えようとしています」とアナウンスすることで買い替えのタイミングであることを気付いてもらえます。

給湯器の品不足が続いていますが、設置から10年が過ぎたことをアナウンスすることで予約注文の獲得にも繋がっています。

ポイント/顧客情報を活用した営業ができれば少ない経費で大きな売上を獲得できます。リフォーム業はお客様に提案する商品やサービスが豊富に揃っていますから、工夫をすれば安定した売上を築くことができます。


《まとめ》

顧客管理=個人情報と勘違いしている経営者はたくさんおります。そして会社の最も大切な資産が顧客情報だと気付いていない経営者も多いのです。

顧客保有数を増やすことができれば、DMを活用してキャンペーンやセールが開催できます。住宅設備機器は経年によって買い替えの時期が自然と訪れます。顧客管理がしっかりできていれば買い替え時期が訪れる顧客をピンポイントで狙い撃ちできるので、少ない経費で大きな売上を築くこともできます。例えば今日、給湯器の取替工事を行った顧客は10年後に見込み客Aとなるわけです。

もちろん次の買い替え時期まで顧客と友好な関係を維持するために努力を続けなくてはなりません。顧客があなたの会社のファンであれば、きっと次の買い替えも必ずあなたの会社に依頼してくれるはずです。

最後に顧客保有数を増やす努力を怠らないこと、顧客情報は常に新鮮な状態で保つこと。そして顧客情報から見込み客を洗い出して定期的にキャンペーンやセールを開催すること。この3つがきちんと遂行できれば、あなたの会社はこれから益々成長できるでしょう。

リフォーム応援団 
代表/牧野雅之 

次回は第10回「ストレスを抱えない年間売上を作る仕組み」
※前年度データを元に売上作りの方程式を確立、実践する

 についてお伝えいたします。お楽しみに。



地域密着型リフォーム会社作りの設計図 リフォーム応援団《プロフィール》

リフォーム応援団
長野県 牧野 雅之 代表

自身も長野県を中心に活動している地域密着型のリフォーム会社の経営者です。地元エリアにて50年の歴史を誇り、豊富な実積があります。リフォーム会社向けにFC加盟店へのコーチング、チラシ・ツール制作販売などおこなっています。

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