「ITツールで業務効率化」は「採用力強化」に直結
【vol.31】
明けましておめでとうございます。連載スタートから3年目、最近では読者の方からご質問をいただくケースも増えてきました。今回取り上げるテーマは、大手広告代理店で、長時間労働の末起こった痛ましい事件をきっかけとした、企業側の意識や取り組みの変化やそのポイントについてです。
ポイント1 問題は「生産性の向上」にある
昨今「ブラック企業」が問題となっています。最近は、中小企業でも社員の負担軽減や残業代圧縮などを目的として「残業の事前許可制」「No残業デー」「サービス残業廃止」など様々な取り組みが、導入もしくは検討されています。
しかし本質的な問題にしっかり目を向けなければ、成果は上がりません。
それは、一定の時間にどれだけの価値を生み出せるかという「生産性の向上」です。単に労働時間を減らすだけでは、その会社の商品品質や営業結果に悪影響が出るばかりです。
ポイント2 モバイル、ITで業務効率化
生産性向上のための大きな効果が見込めるのは、モバイル端末やITツールの活用による業務の効率化です。様々なITツールが無料もしくは安価で利用できる今、スケジュール・現場・営業・受発注などの管理系の業務はもちろんのこ
と、情報の共有や会議までもが、かなりの部分を補完できるようになりました。
そうなると、今までいかに無駄な情報伝達や会議に時間を割いていたか、を実感します。今後は、顔と顔を合わせてコミュニケーションする必要があることだけに特化すればよくなるのです。
ただ、効率化のためにITを導入しても、徹底されずに終わってしまうというようなことは、よくある話です。
ポイント3 「質」を評価する制度に改革を
そこで非常に重要なのが、評価を中心とした制度の変革です。仕事の「量」ではなく、「質」に対する評価指標を加えるのです。
同じ業績や成果を出したときに、それにかかった時間を必ず計算して、「同じ成果を少ない時間で達成した人に、大きな評価を与える」。
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