第12回 『 This Old House 』
リフォーム先進国の米国では、築年数のかなり古い住宅の良さを生かして改修するケースが多い。「世界のリフォーム・中古住宅TV番組」第12弾では、米国人にニーズの高い、古い住宅の重厚さやデザインを生かしたリフォームプロジェクト番組を紹介する。
米国で最も信頼され30年以上続く長寿番組
This Old Houseは、米国東海岸の主要都市ボストンで1972年2月から始まり、30年以上にわたって放映されている長寿番組。現在は公共放送PBSで全米にて放映され、最も信頼のおける住宅リフォーム番組として知られている。
![This Old Houseの番組クルー](https://www.reform-online.jp/story/ThisOldHouse1.jpg)
This Old Houseの番組クルー
この番組では、築年数の非常に古い住宅のリフォームプロジェクトを紹介。プランニングから仕上げまでの全体像を、1軒につき10数回のシリーズを組んで特集する。
ボストンは米国で最も歴史の古い都市の1つであり、リフォームされる住宅はかなり古い築年数のものばかり。そのため、最新のテクノロジーを取り入れるリフォームと、歴史的建築物が持つ重厚さや優れたデザインを保存するリフォームの両方を紹介する番組構成となっている。
5人のコーディネーターのうち、人気タレントのケビン・オコナーが2010年から主要ホストを務め、建築士や大工ら建築系の技術者4人が脇を固める。ケビンは自宅のリフォーム時に、この番組に相談メールを送り、それが縁になってホスト役に抜てきされた。
築140年のイタリア建築次々起こる問題もクリア
![築140年のイタリア建築住宅を大規模改修](https://www.reform-online.jp/story/ThisOldHouse2.jpg)
築140年のイタリア建築住宅を大規模改修
2013年秋のプロジェクトは、ボストン郊外のアーリントン地区にある、ヘザー&マルコム・フォールド夫妻の住宅リノベーションが取り上げられた。
この住宅は、1872年に建てられたイタリア建築の年代物だ。夫妻は、歴史を感じさせるデザインを残しつつ老朽化した躯体や設備をリフォームし、間取りも現代風に変えたいと希望した。
ケビンらTVクルーが3Dグラフィックで改修プランを提案し、全面的なリノベーションがスタート。築140年の建築物の改修とあって、当初予想されなかった問題点が次々と明らかになる。
例えば、ケビンがキッチンの壁を剥がすと、地下室から2階に続くらせん階段が突然現れる。以前の所有者が壁で隠してしまっていたのだった。さらに、居間の天井の低さに気づいたトムが、「昔の天井はもっと高かったのでは」と天井を剥がすと、今度は年代物のイタリア漆喰天井が現れた。また、この家の基礎部分は、建築当時の自然石がそのまま使われていることが明らかになる。想定外のハプニングが次々起こるが、住宅リフォームに精通するスタッフが手際よく対応し、問題をクリアしていく。
スポンサーが資材寄付、ウェブ情報も充実
実用性と娯楽性に優れたこの番組は、テレビ番組の最高賞であるエミー賞をこれまでに17回受賞している。安定した人気を得ていることから、Home DepotやKohler など米国の大手住宅製品会社がスポンサーにつき、リフォーム資材を寄付している。
番組サイトでリフォームの具体的な施工方法も細かく紹介している。なお、姉妹番組の「Ask This Old House」も人気。小規模のリフォームを特集し、DIY愛好者の相談に答えている。
≪ 番組概要 ≫
番組名 * Color Splash
放映テレビ局 * 米・HGTV
放送年 * 2007年3月~
公式HP * http://www.hgtv.com/color-splash/show/index.html
![毎日ニュース配信中!リーフォーム産業新聞公式LINE](/style_images/article_line.gif?20250121212936)