会社説明会はプレゼンの場、「入社志望」をかき立てる ～新卒採用の肝所～

【 vol.10】 会社説明会はプレゼンの場、「入社志望」をかき立てる

　新卒採用活動の肝は、(1)いかに集めるか、(2)いかに惹（ひ）きつけるか、(3)いかに見極めるか。前回は(2)について、学生の選択基準を知り、自社の魅力を研ぎ澄まして伝えようと書きました。中小企業の採用活動ではここが肝心なので、今回も(2)について話します。

ポイント1）　採用活動から入社までの４つのフロー

　一般的な採用活動から入社までのフローには、
(1)採用広告などで自社の採用情報を告知する「集客活動」
(2)興味を持ってくれた学生を１カ所に集めて自社のプレゼンをする「会社説明会」
(3)就職先候補として自社を選んでくれた学生に対する「選考面接」
(4)内定した学生の意識を上げ内定辞退を防ぐ「内定者フォロー」　　　という段階があります。

　各フローを通じいかに「入りたい」と思わせるかが重要ですが、最も重要なのが(2)の会社説明会です。

ポイント2）　会社説明会では、「伝えすぎない」こと

　学生の認知度が低い中小企業にとって、会社説明会の最大の目的は「まだ『興味がある』程度の意識の学生に、『入社意識』を芽生えさせ、かき立てる」ことです。

　会社説明会で学生にプレゼンする際は、(1)自分や仕事、会社に改めて誇りを持って接する、(2)自分の言葉（一人称）で自分の価値観で語る、(3) 相手の目線で誠心誠意話す、などのポイントに加え、情報渇望感を残すことも重要です。

　まじめな会社に多いのですが、会社説明会ですべて伝えようとしすぎて、参加学生に疲弊感が漂っていることがあります。HPや資料で分かる内容は最低限にし、トップのビジョン、仕事のやりがい、社内の雰囲気などを、感情を込め簡潔に伝えましょう。

　「非常によく分かったが入社意欲が消えた説明会」より、「よく分からないが何となく入社したくなる説明会」の方が効果的です。

ポイント3)　学生の入社意欲が下がる説明会とは？

　参考までに、以前のアンケートから「意欲が下がる説明会」の回答を抜粋します。

• 社員に覇気がない／人事の方や社員の態度が悪い／社員同士がよそよそしい、無愛想／社長との距離が遠そう
• 説明会の段取りが悪い／時間オーバー／説明が棒読み／知りたいことを言ってもらえない／社長や社員の生の声がない／質問枠がない
• 担当者が他企業の批判ばかりする／会社の自慢話ばかり／弱点を話さない／嘘っぽいことしか言わない／周囲の参加学生の態度が悪く、こういう人たちが志望する会社なのかと不安を感じた／採用人数が予想以上に少ないと知った／選考フローがアバウト

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ラン・リグ　（東京都渋谷区）
代表取締役社長　渡辺昇一氏

「地域ダントツ化コンサルティング」を事業コンセプトに、地域密着ビジネスに特化した集客・営業・人材支援事業を手掛ける。設立8年で延べ350社、リフォーム・工務店・不動産・医療・大学・専門学校・学習塾・健康施設などクライアントは幅広い。渡辺昇一社長は、15年間延べ8500人以上の新卒大学生の就職支援に関わった経験を生かし、さまざまな業種の地域ビジネスで培った横断的なノウハウを提供している。ランリグ