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【連載 地域密着型リフォーム会社作りの設計図】人づくり・客づくり・店づくりをベースに地域密着型リフォーム会社の作り方

リフォーム応援団 長野県 牧野 雅之 代表
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地域密着型リフォーム会社の作り方

第6回「農耕型、狩猟型、果樹園型の合わせ技」
3つを合わせることで安定した売上を築く

経営者の悩みは数え切れないほど存在しますが、中でも「売上」は最も大きな悩みではないでしょうか。もしも毎月安定した売上を築くことができたら、経営者のストレスはかなり軽減できるのではないでしょうか?今回は「農耕型、狩猟型、果樹園型の合わせ技」をお伝えいたします。この3つの合わせ技を営業活動に用いることで毎月安定した売上を築くことができます。

農耕型

最初にお伝えするのが農耕型です。農耕型という言葉をイメージすれば分かるように土地を耕して種を蒔く。発芽したら水や肥料を十分に与える、時には成長を妨げる害虫から守るために消毒をしなくてはなりません。収穫に至るまでの期間、かなりの労力が必要になりますが収穫を迎えた時の喜びは感慨深いものです。

株式会社マキノ_イベント招待状オモテ面

株式会社マキノ_イベント招待状ナカ面

では農耕型の手法をリフォーム事業に当てはめてみましょう。

土地は顧客、土地を耕すは顧客管理、種を蒔くはオファーと当てはめます。

例として浴室リフォームのキャンペーンで農耕型手法を用いて企画してみましょう。

まず、あなたの会社が保有している顧客リストから在来浴室を利用されている顧客、築20年が経過した顧客を抽出しリスト化します。こうして抽出された顧客リストは浴室リフォームの見込み客リストになります。

例題では在来浴室、築20年という2つのフィルターで検索に掛けましたが、見込み客の精度を更に上げたければフィルターを増やしてみると良いでしょう。フィルターの作り方は簡単です。浴室リフォームを検討されているお客様にリフォームを検討した動機を尋ねてそれをフィルターにすれば良いのです。

「シロアリが発生した」「給湯器が壊れた」「どうせなら浴室も一緒にリフォームしたかった」「孫から浴室をリフォームして欲しいとせがまれた」、といったいくつかのフィルターを重ねてふるいにかければ、精度の高い見込み客リストが完成します。

見込み客リストができたら次は水やりや肥料を与える作業です。水やりや肥料を与える作業とは見込み客に対して定期的にオファーを届けることを示します。ただし、ここで焦り売り急いでしまうと、お客様はあなたの会社を警戒し、せっかく送ったオファーも開封せずゴミ箱行きになってしまいます。

浴室リフォームに関心を持って頂くためにお客様にとって有益な情報を半年ほど送り続けることがポイントです。水やり肥料を十分与えたらいよいよ収穫です。言わば収穫とは刈り取りの場ですから、お客様にとって買いやすい場を提供しなくてはなりません。買いやすい場とはリフォーム相談会や感謝祭を示します。

例えばメーカーショールームや自社ショールームでリフォーム相談会を企画し、浴室リフォームの見込み客に対して招待状を送るのです。質の良いオファーを送り続けているとお客様も徐々にリフォームに関心を持ち始めるものです。こうしてお客様を育てる取り組みを行なってから相談会やイベントを開催すると見込みレベルの高いお客様を集客することができます。

同様にキッチン、トイレ、給湯器などの見込み客リストを作りアプローチを行うことで、一年を通して安定した売上を築けるようになります。しかし、農耕型の手法は直ぐに結果があらわれにくいのが難点です。せっかく農耕型の手法を始めても途中で挫折してしまっては実にもったいない。社内に専任者を設けて農耕型の仕組みを築いてください。

狩猟型

続いてお伝えするのは「狩猟型」です。

株式会社ダイキョー様チラシ-うら面用

株式会社ダイキョー様チラシ-おもて面用

狩猟型はその言葉の通り獲物を狙いに狩りに出るわけですが、運良く獲物をゲットできる日もあれば空振りに終わることもあります。リフォーム業界における狩猟型の手法と言えば新聞チラシです。新聞チラシは誰でも比較的簡単に始められるので、今も昔も多くのリフォーム会社が取り組んでおられます。また最近ではTVCMやSNS広告を配信される会社も増えていますが、これらも狩猟型の手法の1つと言えるでしょう。

しかし狩猟型は博打のようなもの。たまたまリフォームを検討しているお客様にオファーが届けば見込み客を獲得できる反面、全く反響がなければ広告宣伝費は水の泡と消えることになります。3万枚チラシを撒いたとしても大半は資源ゴミとなるのです。

「他社のチラシを見てうちも負けていられない!!チラシを撒こう!!」と安易な気持ちで取り組んでもなかなか良い結果は出ません。チラシを撒くのであればしっかり商圏を定め、計画的に撒くようにしましょう。もちろん当たるチラシを開発しなければなりません。広告代理店に丸投げではなく、自社の販売データなども活用してどのタイミングでどんな商品を訴求したら効果的か考えましょう。住宅機器メーカーのTVCMを見ていると、定期的に訴求する商品を変えています。しっかりマーケティング分析を行い、その月に売れる商品を見極めTVCMで紹介しているのだと思います。私たちもその流れにあやかってチラシやSNS広告を作り配信すれば効果が得られるのではないでしょうか?せっかくチラシやSNS広告で宣伝をしても期待通りに結果があらわれないこともあります。

しかし反響が薄かったから広告宣伝費が全く無駄というわけではありません。宣伝を継続して続けているうちに商圏内におけるあなたの会社のブランド力は徐々に高まっていくことでしょう。何よりブランド力が高まると商売はし易くなるものです。宣伝広告費の費用対効果も気がかりですが、少し長い目でじっくり腰を据えて取り組んでください。

果樹園型

最後にお伝えするのは「果樹園型」です。

河野プロパンガス様_情報誌おもて面

河野プロパンガス様_情報誌なか面

果樹園をイメージすればわかるように、一本の木から毎年必ず収穫を得ることができます。農耕型と同じように手を掛けなければ良質な果実を収穫することはできません。わかり易く説明すると、果樹園型はお客様を獲得したらリピート率を高め、生涯に渡りリフォームやリペアを受注し続けるという意味です。

一世帯あたりのリフォームに費やす費用は30年で平均600万円と言われています。苦労して獲得したお客様から毎年のようにリフォームやリペアの注文が頂けたとしたら、どんなに嬉しいことでしょうか。住宅リフォーム業は取り扱う営業品目がとても多いので、お客様へのアプローチネタに困ることはありません。あなたの会社がお客様から信頼を得られていれば、毎年数万円程度の仕事をご依頼いただけることも難しくないと思います。

ここで問題になるのがあなたの会社とお客様との信頼関係をどう築いて行くかです。一度取引があったお客様から継続的に仕事を頂くためには、常にあなたの会社がお客様からイメージされていなければなりません。お客様がせっかくリフォームを検討していても、前回頼んだ会社(あなたの会社)が頭に浮かばなかったら、そもそも相見積もりの土俵にすら上がることはできません。少なくとも月に一度は何らかの形でお客様とコミュニケーションを図るようにしましょう。お客様と友好な関係を築くために最もおすすめの方法は「情報誌の全戸配布」です。少々費用が掛かりますが、お客様からのレスポンスはチラシよりはるかに高く、相見積もりの確率も低いのが特徴です。

情報誌は毎月の月初めに郵送にて送ります。紙面には生活に役立つ情報(お料理レシピやお手入れ方法)や間違い探しなどを掲載します。何ヶ月か送っているとお客様から反応があらわれてきます。毎月情報誌が届くのを楽しみにしてくれるお客様が増えてくると徐々に仕事が発生してきます。情報誌には売りについて掲載は御法度ですが、もしあなたが売りたい商品やサービスをPRしたければ、情報誌にチラシやキャンペーン・セールの案内をサンドウイッチにして送ると良いでしょう。

最初から大掛かりなリフォームを提案するより、まずは信頼関係を築くためにも小工事やリペアなどに特化した内容を訴求することをおすすめします。例えば春から初夏にかけては網戸貼り替え、雨樋修理、エアコンクリーニングなど、人が集まる時期(お盆や正月前)の前には障子・襖の貼り替え、畳の表替え、カーテン、内装などのキャンペーンをご案内されてはいかがでしょうか?顧客リストがあれば直ぐに始められるので、是非チャレンジしてみてください。

まとめ

□農耕型

農耕型手法は手間と時間を要する上、結果が出るまで時間が掛かる。見込み客リストを作り有益な情報を発信することに集中する。数回アプローチした後、相談会や感謝祭などの催しを企画して収穫を行う。一連の流れを仕組み化すると共に、思うような収穫に至らなかった場合には、1つ1つの流れをその都度見直しアップデートする。いずれは二期作、三期作が保てるように。

□狩猟型

狩猟型手法は当たり外れがある。その都度一喜一憂するのではなく、同一商圏に月2回チラシを配布し続ける。反響が期待外れだったとしても商圏内におけるブランド力の構築は徐々にされている。当たるチラシを作るために努力を惜しまない。住宅機器メーカーのマーケティングを真似する。

□果樹園型

果樹園型はお客様との友好関係を築くことが先決。いきなり売り込みから入るとお客様はは売り込まれるのでは?と身構えてしまうので、小工事やリペアなどお客様のお困りごとにフォーカスしてアプローチする。信頼関係が築けると一人のお客様から生涯に渡り約600万円以上の受注も可能。まさに打ち出の小槌である。

「農耕型」、「狩猟型」、「果樹園型」の3つの手法をお伝えしてまいりましたが、もし3つの手法が取り組めていないとしたら、あなたができることからで良いので早急に始めてみましょう。既に3つの手法をバランス良く取り組み始めてから、毎月安定した売り上げを築けるようになった地域密着型のリフォーム会社がたくさんおられます。次はあなたが結果を出す番です!!

次回は

7.「毎月の広告宣伝費にいくら投資できるか?」
※3Mの重要性と費用対効果の指針 についてお伝えいたします。お楽しみに。



地域密着型リフォーム会社作りの設計図 リフォーム応援団《プロフィール》

リフォーム応援団
長野県 牧野 雅之 代表

自身も長野県を中心に活動している地域密着型のリフォーム会社の経営者です。地元エリアにて50年の歴史を誇り、豊富な実積があります。リフォーム会社向けにFC加盟店へのコーチング、チラシ・ツール制作販売などおこなっています。

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