有料会員登録で全ての記事がお読みいただけます

5500世帯の電力と湯を100%賄える...

  • トップ
  • 連載
  • > 5500世帯の電力と湯を100%賄える!?地域暖房...

5500世帯の電力と湯を100%賄える!?地域暖房施設 《ドイツ取材日記14》

リフォーム産業新聞
このエントリーをはてなブックマークに追加

■ ドイツ取材日記 第14回 ■
コージェネレーション施設(2)

5500世帯が住むヴォーバン住宅地にも、地域暖房を兼ねるコージェネレーションシステムがある。今回はその施設を紹介しよう。

地域暖房施設
地域暖房施設

村上さん 「ヴォーバンの地域暖房施設は、バイオマスチップを燃料として、最初に90℃のお湯を作ります。そのお湯が地下に張り巡らされたパイプで各戸に送られるのです。そこから熱交換器を使って、熱を取るのです。また、お湯を沸かすときの蒸気でピストンを動かして発電するという仕組みです。しかし最近、蒸気で動かすコージェネの機械が故障しちゃって」

参加者 「では今はどうやって発電しているのですか?」

村上さん 「お湯は従来通り、木質ペレットを燃料に作っていますが、発電はしていません。その代わり、天然ガスによって内燃機関を動かして発電する併用タイプで運用しています」

参加者 「すべて賄えているんですか?」

村上さん 「まず電力は、1年で通算すると計算上は賄えています。冬場は暖房需要が多いため発電して余剰電力は電力系統に売れます。逆に夏場はあまり発電しませんので電気を買いますが、計算上はプラスマイナスゼロとなるのです。一方、熱エネルギーは100%賄えています」

参加者 「ところでパイプを通って各戸に送られたお湯はどのように利用するのですか?」

村上さん 「パイプで各戸に送られたお湯から熱交換器を使って暖房の熱を取ります。したがって各戸には給湯設備はありません。電気代と同じようにメーターがついていて使用した分だけ支払う仕組みです」

――続く... ≪中谷哲郎 著≫

毎日ニュース配信中!リーフォーム産業新聞公式LINE

【連載記事一覧】

リフォーム産業新聞社の関連サイト

閉じる