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家の前に駐車場を造ってはいけない!? 《ドイツ取材日記11》

リフォーム産業新聞
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■ ドイツ取材日記 第11回 ■
カーポートフリーの住宅地設計

35ヘクタールに5500人がコンパクトに住まうフライブルグ市のヴォーバン住宅地「エネルギーを浪費しないパッシブハウス」を中心紹介してきたが、今回からは、建築物以外のポイントも紹介していく。

解説はフライブルグ市在住の環境ジャーナリスト、村上敦さんにバトンタッチ。

排気と給気で熱交換
巨大な立体駐車場が敷地内に2カ所

村上さん 「ヴォーバン住宅地の特筆すべき点は、カーポートフリーの住宅地設計です。ヴォ--バン住宅地の3/4では家の前に駐車場を設けることが許されていないのです。その代わり住宅地内に、2か所の立体駐車場が設けられています。住民たちはそこまで徒歩や自転車で向かうのです」

参加者 「駐車場の料金は?」

村上さん 「1台につき200万円前後の権利金を支払ってその権利を買うのです」

参加者 「200万円!?高い!!」

村上さん 「その代わり、自宅の前に駐車場を作らなくていいので敷地を有効に使う事ができるのです。その部分を価格に換算すると200万円くらいになるという計算なのです。駐車場の管理は市が行っています」

参加者 「車の所有台数は減るんじゃないですか?」

村上さん 「そうですね。人口1000人当たりの乗用車登録台数はドイツ全体や日本は600台。フライブルグ市は380台。ヴォーバン住宅地の場合は150台です。住民の方はセカンドカーを持つ人はいないんじゃないですか」

参加者 「これも交通政策の一環なのですか?」

村上さん 「ちょっと前までフライブルグ市も450台でしたが、市が交通政策で公共交通を整備してきたため減少傾向にあります」

参加者 「フライブルグ市の公共交通のカバー率は?」

村上さん 「95%です。トラム、バスなどの停留所から300メートル以内に住んでいる人の割合が、人口22万人のうち95%なのです。トラムは日中であれば7分に1本。バスは14分に1本やってきます。ヴォーバン住宅地の中にもトラムが走っています」

――続く... ≪中谷哲郎 著≫

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