時間に関わる事例 ― vol.4 ―
日本人は時間にきちょうめんな人種です。しかしそれでも時間にルーズな人はかなりいます。性格なのか意識がないのか分かりませんが、業務にも支障を来たし、お客様からのクレームも多くなります。
建築は全体のスケジュール、工程、工期、金の支払い等全て時間に沿って遂行していますので、それらからずれれば問題が発生し、他への影響、クレームは必ず生じます。
Q 対応が遅い、翌日では対応が遅すぎる
【状況】 日曜日のエアコンの故障でしたが、設備等メーカー休日のため連絡がつかず、月曜日になりました。簡単な修理ならできましたがメーカー対応のため手配ができませんでした。事情を説明して渋々理解していただきました。
A メーカーによってはコールセンターもありますが完全な対応は難しいことも...。修理も内容によって部品等の手配があり即対応できない場合もありますので、連絡を頂いた時点で状況をよく聞き、よく説明をするべきです。できればお客様宅に行って確認をした方がクレームになりません。故障、クレームに休みはありません。
Q 約束の時間に来ない、いつも遅れる
【状況】 あまり時間の意識が無い、少々遅れても大丈夫だと思っているルーズな担当者です。遅れる連絡はいつも予定の時間が過ぎてから、またはしない時も多い。
A 携帯電話は皆持っているので言い訳はできません。日本人は時間に遅れればイライラします。時間の約束は基本的なことですので、日頃の業務の中での指導が大切です。お客様の信頼を失いますので、交通事情等考慮して5分前にはお客様のところに着くようにしましょう。しかしあまり早く行くのも感心しません。お客様の準備もあります。
Q 見積もりが遅い
【状況】 見積もり依頼後3日目の連絡で見積もりが遅いとのこと。お客様は今日、明日に見積書を持って来いというタイプの方。4日目に提示しましたが遅いと言われ、お詫びはしましたが成約になりませんでした。結局相見積もりで値引きの材料にされました。
A よく見積もり依頼前にお客様の状況を掴みましょう。相見積もりはよくあることです。見積書提示日は必ず伝えていると思いますが、あまり無理を言うようであれば断るのも一策。後にクレームを言われる可能性が大です。結果的に無駄な労力になります。
≪Profile≫
20年以上にわたり、大手ハウスメーカーの営業所長、事業所長を歴任。その後新設されたリフォーム事業所長に抜擢、8年間で業務・経営効率の改善を図り業績伸長に貢献した。2010年にカーサ企画を設立、現在はリフォームや不動産コンサルティング活動のほかセミナー講師を行っている。
◆會田氏の著書◆ 「クレーム110番」 クレームを5つに分類し、57の事例紹介と解決策、および予防策を解説している。人材教育テキストとして活用するリフォーム会社も多数あり。
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