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地域で発熱・発電をするコージェネレーション 《ドイツ取材日記13》

リフォーム産業新聞
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■ ドイツ取材日記 No.13 ■
一番エネルギー効率が悪いモノは何だと思いますか?

フライブルグ市のヴォーバン住宅地の注目ポイントは「(1)省エネ建築物」、前回紹介した「(2)カーポートフリーなどの住宅地設計」、そしてもう一つが「(3)地域暖房・コージェネレーションによる住宅地での発電・発熱」だ。各住宅においてのコージェネレーションシステムは当欄No.(7)(8)で紹介したが、今回は地域暖房施設を紹介する。

ヴォーバン住宅地にある地域暖房施設
ヴォーバン住宅地にある地域暖房施設

村上さん 「フライブルグ市は、1986年のチェルノブイリの原発事故を受けて、新規の開発エリアについては"100%地域暖房。熱源はコージェネレーション"と決めました」

村上さん 「みなさん、世の中で、一番エネルギー効率が悪いモノは何だと思いますか?」

参加者 「何だろう?」

村上さん 「答えは自動車です。自動車のエネルギー効率は25%しかありません。その次にエネルギーを捨てているのが、発電所なのです。最近は天然ガスのタービンで効率が60%という高効率の施設も出てきていますが、通常は45%。石炭火力発電、原子力発電に至っては30数%なのです。"それはもったいない"と、フライブルグ市は熱が必要な市内で発電することで熱を有効利用しようと考えたのです」

参加者 「どれくらいの電力が賄われているのですか?」

村上さん 「フライブルグ市は、全使用電力消費量の50%を地域にある160基のコージェネレーションシステムで賄っています。熱負荷に応じて各施設で発熱・発電がおこなわれています」

参加者  「残り50%はどんなエネルギーが使われているのですか?」

村上さん 「残りの50%のエネルギーはスイスの水力発電などから電力を輸入しています。つまり原子力発電も石炭火力のエネルギーも含まれていません。脱原発を実現した街なのです」

――続く... ≪中谷哲郎 著≫

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