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ユーザーが知りたい情報のみ掲載「ターゲットファースト」

有田電器情報システム 有田栄公 社長
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CMS型HP基礎講座

第19回 ~ユーザーが知りたい情報のみ掲載「ターゲットファースト」~

 今回ご紹介する「ターゲットファースト」とは、構築と運営においてターゲットをまず一番に(明確に)考えて、ターゲットを極端に絞り込んで構築する手法です。これによってユーザーの使い勝手は向上し、受注増などにつながっています。チャレンジしてみる価値はある手法です。

 ターゲットを絞り込む大きな項目は4つ。

  1. 「性別」
  2. 「年代」
  3. 「職業」
  4. 「行動パターン」

です。

 3番目の職業については、サラリーマンや主婦という広い範囲ではなく、「営業をしていて外まわりが多い人」「開業したての医者」「富裕層の来客が多い弁護士」「マンションの一室で仕事している経営者」と極端に絞り込む。

 4番目の行動パターンも同様に「休日の外出が多い人」「ジムに通っている人」「外食が多い人」「昼間家にいない人」「スマホを持っている人」「電車をよく使う人」と極端に絞る。

 これをすると、ユーザーの生活スタイルが見えてきます。これを仮想ユーザーモデルと呼びますが、絞り込むことで、サイトに掲載するコンテンツ、配置が決定する。これがうまくいくポイントです。

 さらにPC版だけなのか、スマホ版も作るのかが見えてきます。

 多くの構築のやり方(失敗している)では、

  1. どんな内容を掲載するのか?
  2. 何を伝えたいのか?
  3. どこがポイントなのか?
  4. キャッチコピーでひきつけたい
  5. 多くの情報を掲載したい、あれも、これも、この写真も載せたい
  6. サイトのイメージカラーはこれにしたい

というヒアリングをして決めていくやりかたです。

これまでとは逆の発想で

 ターゲットファーストという考え方は、まったくの逆です。掲載したい内容を載せるのではなく、ユーザーが知りたい情報、興味がある情報だけをピックアップし使いやすさを向上させます。

 そのあとに、もっと追加したいコンテンツや運営者側が伝えたい内容はPC版に載せ、もっと知りたいと思うユーザーは、スマホをPC版に切り替えて閲覧していく手法となります。

 いままでのリスティングや外部広告を使ってアクセスユーザー数を増やす考え方をやめて、自社にとっての必要なユーザーのみを集め、希望するアクションを取ってもらう手法に切り替えるべきです。

 よくありませんか?無料見積もりフォームを作って広告を出して、たくさんの無料見積もり依頼があり、申込数前年比600%UP!など大幅増になって喜んだことは。しかし、時間をかけて、現調して、結局成約に結びつかず、見積もり貧乏になったことはありませんか?

問い合わせや見積もりだけのユーザーはいらない

 目的は、御社の魅力、技術力、アフター、デザインなど、興味を持ってもらったユーザーだけが、無料見積もり依頼をしてくれて、その後、具体的な打ち合わせが進んでいき、新規得意先となることなのですが、ただ単にお問い合わせを増やすことが目的になってしまっていませんか?
そのやり方はもうすでに終わっています。結局は、本質なのです。

 例えば、おいしくないラーメン屋さんが、お客が来ないということで、お金をかけて、チラシをまきました。2週間は、お店に行列が出来ました。チラシ効果成功!とおもって、今度は広範囲にまたお金をかけてチラシをまきました。でも、最初の2週間に来たお客さんが、「あそこのラーメンはあまりおいしくない!」と。自分自身で集客して、おいしくないことをアピールしてしまったのです。お金までかけて。結局倒産してしまいました。

 でも、おいしくなくても成り立っているラーメン屋さんはたくさんあります。ターゲットを「お金のない学生」「とにかくおなかいっぱいになればいい人」「短時間で食べられることを目的としている人」と、絞り込んで、そのターゲットだけが満足する「ターゲットファースト」を知ってか知らずかやっているラーメン屋さん。

 たとえば、うまくいっているサイトとして、マクドナルドがあります。同社ではターゲットを「部活をやっていて、帰りに寄り道を考えている高校生」にしました。

 高校生で部活をやっているとバイトが出来ないので、お金をあまり持っていません。安く買えるクーポン情報をトップに持ってきたのです。

 スマホのGPSを使って、今いる場所から一番近いお店を表示させマップナビで誘導し、この方法でかなりユーザーが増えたとのこと。

 また、ANAではターゲットを「スマホを使っている人で頻繁に飛行機を利用している人」にしました。

 スマホで利用しやすいように直感的なデザイン、チケットの予約がしやすい、を徹底し、スマホ利用者においては、「予約しやすい」を作り上げました。よって、見せたい情報・その他のコンテンツは表示させていません。ユーザーが知りたい、見たい情報と、チケット予約だけに絞り込んだのです。使いたい情報はほとんど入っていません。ユーザーが知りたい情報のみです。

 「ターゲットファースト」。今一度白紙に戻して、一から作り変えてみてください。受注増加で、とても効果が出ています。

有田電器情報システム有田 栄公 代表取締役 社長

≪ Profile ≫

集客と売り上げアップにつながるホームページ構築技術(PHP・SEO・CSS・MYSQL)により、帝国データバンクと業務提携。日本全国から引き合いが多い。帝国データバンク主催のWEBセミナー講師、パナソニックエコソリューションズ創研のWEBセミナー講師として、全国でセミナーを展開中。VPN構築と社内インフラ設計、アプリ開発を行う。
有田電器情報システム 有田栄公 社長
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