第1回 『Extreme Makeover:Home Edition(米・ABC)』
リフォーム先進国の米国では、リフォーム関連のテレビ番組が充実している。米国人の住宅への関心の高さを反映し、番組の切り口も様々だ。新企画「世界のリフォームTV番組」第1弾では、経済的困難や病気などで苦境にある家族のリフォーム番組を紹介する。

番組名「Extreme Makeover : Home Edition」
恵まれない家庭にリフォームをプレゼント
「Extreme Makeover:Home Edition」は、米国の大手テレビ局ABCで約10年間にわたり放映された人気の住宅番組。2013年1月にテレビでの放映は終わったが、現在でもネット上の番組で放映が続いている。
住宅番組ではあるが、住宅そのものの紹介ではない。様々な事情により恵まれない家族に住宅リフォームがプレゼントされる。
例えばある回では次のようなエピソードが登場する。ジョージア州に住むウイリアム一家は4人家族。父親のジェレミーは地元のプロフットボールチームのコーチだが、数年前から難病のALSを患っている。現在は杖を使いながら生活しているが、老朽化した自宅には階段が多くて使いづらい。6歳の息子、ジェイコブも生まれつき足が不自由だ。妻のジェニファーは、夫と息子のための住宅リフォームに希望を託し、リフォーム番組に応募する。
その他にも子供がガンやエイズを患い、闘病生活を余儀なくされている家庭、戦争やハリケーンなどの災害で家族を亡くした家庭、シングルペアレントとして多くの子供を一人手で育てている家庭など、かなりシビアな事情を持つ人々が登場する。彼らはリフォームを機に、人生の再スタートを図る。

コーディネーターのティーがウイリアム一家を訪問
家族の絆の再生もテーマ
番組では、大工の経験を持つ俳優のティー・ペニントンがコーディネーターを務める。インテリアコーディネーター、デザイナーらとチームを組み、リフォームを待つ家庭を訪問。家族は病気や障害、一家離散などの理由で、自力でリフォームができない。そこで番組が、地元の建築業者の協力を得て大規模なリフォームを行う。
家族が抱える問題を通して、米国社会の様々な問題も浮き彫りになる。そのため内容も涙を誘うような、ドラマ性のあるものばかりだ。
この番組のリフォームは、通常7週間かかる工事を、わずか7日間で完成させなければならない。そのために必要な業者を総動員させて大規模な工事が行われる。この7日の間、リフォームをプレゼントされる家族には、米国大手航空会社の協力を得て、旅行に行かせてもらえるという特典も付いている。旅行中に、心の傷の癒しや家族の絆の再生が図られる。旅行から帰ってきたときに、リフォームを終えた新しい家がお披露目される。

地元業者から寄付された住宅が運び込まれる
1000人のボランティアが協力
建材は地元業者がすべて寄付。さらに約1000人の地域住民がボランティアで工事を手助けする。7日間という短い期間で、業者と大勢の住民が協力して住宅を仕上げていく様子は壮観だ。43分間の番組を通して、リフォームは家族と地域社会のリカバリープロセス(回復の過程)として描かれる。新しくなった自宅で、家族は新しい生活をスタートさせる。番組の終わりはいつも、ティーの「ようこそ、わが家へ」で締めくくられる。
≪ 番組概要 ≫
番組名 * Extreme Makeover:Home Edition
放映テレビ局 * 米・ABC
放送年 * 2003年12月~2013年1月
公式HP * http://abc.go.com/shows/extreme-makeover-home-edition
