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増税対応として延長保証の取り組みを

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増税対応として延長保証の取り組みを

匠総合法律事務所 秋野卓生 氏
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まるわかり消費税第3回 ~消費税増税対応として延長保証の取り組みを~

 消費税増税により、リフォーム価格も平成26年4月以降の引き渡し物件については、消費税増税分の値上げを原則として実施することになると思います。また、職人単価の上昇や国産材の原木価格の上昇など、原価そのものの高騰もありますから、消費増税分以上の値上げも検討しなければならないでしょう。

 ところが、顧客から「便乗値上げをした」と思われてしまっては、信用失墜のリスクがあります。

 この価格上昇分のフォローをどうするか?という課題があります。

 価格UPをせず、増税分も含め、増税前と同一価格にするという選択は、増税分の利益を圧迫する要因になりますし、原価高騰分も利益から吸収するとなれば、リフォーム会社の経営を圧迫します。

 やはり、住宅価格の引き上げは、現実として検討課題となるでしょう。ただ、値上げをする場合には、値上げをした理由について、顧客が納得できる、しっかりとした説明が必要となります。ここで出てくる観点が「値上げには、建物の性能の向上という理由があるのです」という付加価値の向上という検討課題です。性能をより向上させれば、当然、原価が上がります。他方で、原価を上げたにもかかわらず、増税分の価格転嫁を顧客に求めることができないとなると、工務店の利益が減ってしまいます。

 建物のハード面の品質向上も大事ですが、私は、ソフト面の充実としての延長保証への取り組みも検討していただきたいと考えています。

 例えば、これまではリフォーム工事では一律2年保証としていた住宅会社でも維持管理計画書の作成や住宅履歴情報の蓄積、リフォーム瑕疵保険の活用などにより、更なる延長保証の可能性に取り組むこともできます。これまで定期点検とクイック補修を無料奉仕で何十年と続けてきた顧客満足度の高い住宅会社にとっては、延長保証は、無料奉仕の期間を延長する取り組みに見えてしまい、抵抗感ある話に聞こえるかもしれません。

 しかし、そもそもリフォームにて「2年の保証」を実施している会社であれば、2年以降、延長保証を実施するのであれば、延長保証料を受領する「保証書」を作成すればよいのです。

 また、顧客との間で建物の維持管理契約を締結し、将来のリフォーム工事の予約を得ながら(10年後には断熱リフォームしましょうね、といったビジネス提案)、引き換えに定期点検時に無料補修をするような保証約款を定めることも可能です。

 このように保証書や保証約款を増税のタイミングで見直し、これまで以上のサービスを提供できることをアピールすることによって、増税時の価格値上げの合理的根拠とする手法も、ご検討いただきたいと思います。

匠総合法律事務所 秋野卓生 氏

匠総合法律事務所 秋野卓生 氏

≪Profile≫日本で唯一の住宅業界を専門とする弁護士法人匠総合法律事務所の代表社員弁護士。住宅・建築紛争を数多く取り扱っている。平成13年4月に現在の弁護士法人匠総合法律事務所の前身である秋野法律事務所を開設。
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