第2回 『 HOMETIME(米・PBS) 』
アメリカ人はDIY好きな国民として知られる。DIYを週末レジャーや余暇の一つとして楽しむ人も多い。そのため、DIYやリフォームのための情報提供も実に幅広い。「世界のリフォーム・中古住宅テレビ」第2弾では、全米のDIY愛好者に長年にわたり愛されている番組を紹介する。
リフォーム情報のビデオが公共テレビ放送に発展
「Hometime」は、米国の公共放送PBSチャンネルで、1986年から現在まで27年間も放送が続いている長寿番組。全般的なリフォームに関する番組で、今までに700件以上ものリフォームを紹介している。番組のきっかけは、その2年前にさかのぼる。番組ホスト役のディーン・ジョンソンが、DIY愛好者にハウツーを伝授するビデオを制作し、そのビデオをホームセンターが宅配する、という形でスタート。それがテレビ放送に発展した。放送が開始された当時は、中西部ミネソタ州でのローカル放送のみだった。その後、東海岸地域を中心に放送域が拡大され、さらに公共放送で全米に放映されるようになった。
Hometimeの番組クルー。コーディネーターはディーン・ジョンソン(後列中央)とミリアム・ジョンソン(前列左)
プロ級に仕上げたいホームオーナーを手助け
このHometimeの基本コンセプトは2つ。1つは、DIYに挑戦するホームオーナーが、プロ級のリフォームの仕上がりになるよう、番組を通じて手助けすること。もう1つは、新築や大規模リノベーションのための情報を提供することだ。DIY愛好者が自分たちで実践できるリフォームと、業者にしかできないような技巧を凝らしたリフォームの両方を紹介している。大体が、週末などの短期間を利用してリフォームを完成させる。新しく最適な製品、ツール、材料、そして技術を利用して、既存のスペースを見違える空間に変えていく。
コーディネーターは、ディーン・ジョンソンとミリアム・ジョンソン。他のTVクルーは大工の経験者で、番組内で様々なスキルを披露する。例えば、キッチンリフォームの特集の回では、ディーンとミリアムは、1980年代の古いキッチンを現代風のキッチンへのリフォームを計画。新規キッチンの据付工事、配管など、ディーンらTVクルーが自分たちでできる部分をDIYで作業する。その後、リフォーム業者が入って最新型のキッチンに仕上げる。
床の張り替え工事もディーンらが実演。床材をはめ込むときのコツなどを説明し、「床材を替えると部屋の雰囲気もガラっと変わりますよ」とミリアムがアドバイス。視聴者は番組を見ながら、リフォームのポイントを学ぶことができる。
床の張り替えのコツを実演しながらアドバイス
WEBでも情報提供 DVDや書籍も充実
毎週100万人の視聴者を記録する人気番組だけあって、テーマは幅広い。築100年の歴史のある古いポーチの改装、狭くて使い勝手の悪いランドリールームを広げる工事、家にピアノを置くため、窓、タイル、キャビネットの取り換えをして防音機能のある部屋への改装、地下室の新たな設置工事、ホームシアターへの改装など、様々なリフォームの実例を紹介してくれる。
さらに、Hometimeの公式HPでは、過去の番組を再編した「ビデオライブラリー」を公開している。部位別のリフォーム技術を紹介するビデオクリップは、どれも2~6分程度でエッセンスを紹介。自分で実践できるリフォームのインストラクションを見ることができる。このウェブ上で番組のDVDや書籍販売も販売されている。
≪ 番組概要 ≫
番組名 * Hometime
放映テレビ局 * 米・PBS
放送開始年 * 1986年11月~
放送日時 * 地域によって多少違うが、主に土曜日か日曜日。放送開始時間は不定期。30分の番組。
公式HP * http://www.hometime.com
